賃貸不動産の仲介と管理、そして家主の誤解。
賃料滞納の発生と滞納理由の調査。
(1)賃料滞納の発生と滞納理由の調査。
まず、賃料の滞納が発生した場合には、その理由の調査が重要となります。とくに、
賃料滞納による契約の解除が可能か否かは、信頼関係が破壊されているかが決め
手となるので、滞納理由の分析は不可欠となります。
*滞納理由はおおむね次の通りとなります。(ケースバイケースですが)
① 「信頼関係の破壊」とまではならない場合
・単純な引落口座等の入金忘れ
・自身や家族の病気等の事情による一時的な資金不足
・貸主の落ち度による入金遅延
② 「信頼関係の破壊」となり得る場合
・失業・倒産による滞納の累積
・収入の低下による滞納の累積
・繰り返す慢性的な賃料の遅滞
・不良入居者による不払い
・夜逃げや無断転貸による不払い
などとなります。
(2)滞納賃料支払請求の相手方と催告の具体的方法。
賃料支払を請求する相手方は、まず借主本人となります。しかし、連帯保証人は
もちろん、借主の同居配偶者にも「日常家事連帯債務」として請求が可能となります。
また、借主が死亡した場合などは、法的には借主の相続人に対しての請求が可能です。
滞納賃料の催告の方法は、次の通りとなります。
① 催告の要否
信頼関係が破壊されたと明らかに認められる場合には、催告なしの解除も認められる
可能性は高くなります。
しかし、無催告解除には、通常の解除の際に要求される信頼関係の破壊よりも、より
強い破壊状況が必要とされるため、まずは、滞納賃料の支払いを相当の期間を定めて
催告したうえで、解除手続きをすることが望ましいと思います。
② 催告の方法
催告は口頭でも可能とされていますが、その事実を証拠として残す意味からも、書面に
より催告をすることが実務的には望ましいと思います。
③ 内容証明郵便による催告
通常の催告でも状況が改善されない場合、または当初から契約解除を求める目的の
場合には、「配達証明付きの内容証明郵便」により催告をするのが一般的となります。
これは、相手方にどのような内容の催告をしたのか、当該催告が相手方に到達したか
を証明する点で、将来法的手続きに移行したときに極めて明確な証拠となります。
*次回、その2 は滞納賃料の催告の内容をお話しします。
賃料の徴収方法。
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