大人ピアノ指導法:「体験講座」受講生の自己紹介:注意点
体験講座で「和み」につなげるために欠かせない3つの要素
体験講座を開くとき、私がとても大切にしていることがあります。
それは、参加された方に「ここにいていいんだ」「ここなら安心できる」と感じていただくことです。
体験講座では、内容を伝えることももちろん大切です。
けれど、それ以上に大切なのが、場の空気をどうつくるかということ。
その“和み”があるかどうかで、その後の講座の流れや、生徒さん同士の関係性が大きく変わってきます。
そこで今回は、体験講座で和みにつなげるために欠かせない3つの要素についてお伝えします。
1.机の配置を工夫する

まず一つ目は、机の配置です。
実は私は、講座を始めた当初、この部分でかなり失敗していました。
おそらく最初の何回かの講座では、うまくいっていなかったと思います。
というのも、会議室などを借りると、多くの場合「スクール形式」になっているからです。
つまり、学校の教室のように、参加者全員が前を向き、先生の方を見て座る形です。
この配置は、一見すると講座らしく見えるのですが、実は参加者に緊張感を与えやすいのです。
体験講座では、まず「和むこと」「安心すること」が大切ですから、対面で緊張感を生む配置はあまり向いていません。
おすすめなのは、向かい合わせで座れるグループ形式です。
特に、全体を大きな一つの輪にするよりも、3人ずつの小さなグループ
に分ける形がとても効果的です。
なぜ3人なのか。
それは、3人だと自然に会話が生まれやすいからです。
これが5人、6人と人数が増えると、「この中で自分が話していいのかしら」「今、声を出していいのかしら」と遠慮が生まれやすくなります。
一方で、2人だと相手との相性が気になってしまうこともあります。
でも3人になると、不思議と空気がやわらぎ、話しやすい雰囲気が生まれやすいのです。
もちろん、体験会の参加人数が少なく、1人や2人のときもあります。
実際に私自身も、そうした経験はたくさんありました。
その場合は無理をする必要はありませんが、それでもできる限り向かい合わせで、和みやすい座り方を意識していただきたいと思います。
机の配置ひとつで、場の空気は大きく変わります。
ぜひ、この点は大切なポイントとして覚えておいてください。
2.先生の立ち位置は「斜め45度」を意識する
二つ目は、先生の立ち位置です。
先生は、つい生徒さんの真正面に立ってしまいがちです。
けれど、体験講座の場では、真正面から向き合うよりも、斜め45度くらいの位置を意識することがとても大切です。
真正面に立つと、どうしても「教える人」と「教わる人」という構図が強くなり、相手に緊張を与えやすくなります。
一方で、少し角度をずらすことで、圧迫感がやわらぎ、安心感のある空気が生まれます。
ここで少し余談になりますが、実は机の形によっても雰囲気は変わります。
たとえば、丸テーブル。
昔のちゃぶ台のような丸い机は、自然と人の気持ちをやわらげ、仲良くなりやすい空気をつくってくれます。
反対に、四角い机は、緊張感やきちんとした印象、そして信頼感を生みやすい特徴があります。
ですから、たとえば大切なお話や、信頼関係をしっかり築きたい場面では、四角い机で向かい合い、きちんと目を見て話すことが効果的な場合もあります。
けれど、初めての体験講座では、まずは相手に安心していただくことが何より大切です。
そのためには、先生自身が少し斜めに立つ、あるいは座る。
この「45度の関わり方」を意識してレクチャーしていくことが、とても有効です。
3.生徒さん同士が会話できる時間をつくる
三つ目は、生徒さん同士が会話できるようにすることです。
ここは、多くの先生方が意外と見落としやすいところかもしれません。
体験講座では、先生自身も緊張しています。
ですから、「しっかり教えなければ」「きちんと伝えなければ」と一生懸命になるのです。
その熱意はとても大切です。
けれど、その一方で、和みの時間をつくることをつい忘れてしまいがちです。
体験講座では、先生が話す時間だけでなく、参加者同士が自然に会話できる時間を意識的に取り入れることが大切です。
「では、少しお話ししてみてくださいね」
「この時間はご歓談の時間にしましょう」
そんな一言を入れるだけでも、場の空気はやわらぎます。
生徒さん同士の会話が生まれると、「自分だけが不安なのではない」と感じられたり、「ここには話せる人がいる」と安心できたりします。
そして、その安心感こそが“和み”につながっていくのです。
体験講座で大切なのは、「教えること」以上に「安心できる場をつくること」
体験講座では、もちろん内容も大切です。
けれど、最初の入り口で何より大切なのは、参加された方が「ここは安心できる場所だ」と感じられることです。
そのために意識したいのが、
机の配置を工夫すること
先生の立ち位置を工夫すること
生徒さん同士が会話できる時間をつくること
この3つです。
ほんの少しの工夫で、場の空気は変わります。
そして、その空気の違いが、生徒さんの表情や、その後の講座の流れにも大きく表れてきます。
体験講座を「説明の場」ではなく、
“和みの入り口”にすること。
それが、次につながる大切な一歩になるのです。


