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パワハラ防止法が制定されました

2019年12月6日 公開 / 2021年1月19日更新

テーマ:労働事件

コラムカテゴリ:法律関連

2019年5月、参議院本会議で「女性の職業生活における活躍の推進に関する法
律等の一部改正する法律案」が可決され、パワハラ防止法が成立しました。
 厚労省ではパワハラとは「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義しています。
 職場のパワーハラスメントを6類型に分類しています。
1)身体的な攻撃
  暴行・傷害
2)精神的な攻撃
   脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
3)人間関係からの切り離し
  隔離・仲間外し・無視
4)過大な要求
  業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
5)過小な要求
   業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや
  仕事を与えないこと
6)個の侵害
  私的なことに過度に立ち入ること
しかしながら、この指針については内容が曖昧であるとの批判もあります。
パワハラに該当しない例として
 ①遅刻や服装の乱れなど社会的ルールやマナーを欠いた言動・行動が見られ、再
  三注意してもそれが改善されない労働者に対して強く注意すること(2)の例外
 ②経営上の理由により、一時的に能力に見合わない簡易な業務に就かせること
  の例外
   これについては、①服装の乱れ等については主観的要素が多いことや②についても
   これまで使用者の意に反する労働者から仕事を奪ったりとパワハラで問題となっ 
  た事例であり、除外例として適切ではないとの批判も出ています。
   使用者としても、今後使用者が委縮して労働者に対して、指導、注意が一切できな
  くなるのではないかとの懸念がある一方、これまでパワハラで泣き寝入りしていた労
  働者からは厳格に適用してもらいたいという思いもあり、非常に難しい側面を有して
  います。
   いずれにせよ法制化されましたので、使用者としては、従前のように「社員教育 
  だ。従業員に対する指導だ。」と安易に考えるのではなく、方針の明確化、相談窓
  口の整備等、相応の対応が求められます。
                                  以 上
        

この記事を書いたプロ

中村有作

損害賠償と労務関係のプロ

中村有作(中村法律事務所)

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