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残業代(5)社長ノーガードでは勝てません。

2015年3月16日 公開 / 2021年1月19日更新

テーマ:労働事件

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 退職 手続き

残業代を甘く見ている中小企業の経営者は山ほどいます。
よく、「先生。残業代で訴えられました。」と慌てて、事務所に訴状を持参される社長さんがいます。
原告はほぼ100%といっていいほど、元従業員です。
円満退社ならまだいいのですが、退社の段階から大抵トラブルが発生しています。
残業代の時効は2年です。
2年間の残業代、いったい、いくらになると思われますか?
基本給1000円としましょう。残業代の割増賃金は25%ですから1250円です。
1日8時間が法定労働時間です。1か月80時間残業があったとしますと1250円×80時間=10万円
10万円×24か月=240万円です。これは1人の従業員です。
退職した従業員が5人訴えた場合は1200万円です。持ちこたえられますか?
「そんな馬鹿な」と真っ青になられている社長も少なくありません。しかし、訴えられた段階では「時すでに遅し。」です。
ボクシングでいうところの「ノーガード」では勝てないのです。
「ノーガード」とは何か?何ら残業代について、法的対抗手段がとられていないことを意味します。
労働時間の正確な管理がそもそもできていないケースも多くみられます。
この残業代については付加金(ペナルティー)をつけることが可能です。大体付加金は残業代とほぼ同額です。
上記のケースですと、残業代240万円+付加金240万円 合計480万円となります。
中小企業にとって、大打撃となるのです。
一刻も早く手をうつことが求められています。
ところが、多くの中小企業の経営者は【独自の見解、解釈】を主張し、何ら手を打とうとしません
社長の【独自の見解、主張】は裁判所では一切通用しません。
「悪いことはいいません。今すぐ、弁護士と社会保険労務士でチームをくんで、法的手段をとって下さい。」と私は社長に口をすっぱくして言っています。それに対する社長の反応は今ひとつです。

この記事を書いたプロ

中村有作

損害賠償と労務関係のプロ

中村有作(中村法律事務所)

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