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塩原真貴

木造住宅を耐震・断熱構造に生まれ変わらせるプロ

塩原真貴(しおはらまさき)

株式会社Reborn

コラム

建物診断≒インスペクションからはじめよう

断熱改修・耐震改修の手順

2015年6月3日 / 2015年6月4日更新

「忘れたころにやってくる」のではありません><
昨年の御嶽山の噴火、白馬神城断層地震、列島全体火山の活発な動き・・・たびたび起こる日本各地での震度5程度の揺れ。
お感じになっている方も多いと思いますが、「そろそろでっかいのが来るのではないか!?」の心理的状態が続いています。

お引き合いをいただく多くの方々が、「耐震がとにかくこわいので、建物はできるだけ強くしてください」とおっしゃいます。
新築ならば各社可能な限り耐震性能に気を使って設計しているはずですが、社会全体を俯瞰してみた場合、問題は既存の建物。それも昭和56年以前に建てられた木造住宅だといえます。特に住宅密集地では。

個々の敷地内に建てられた建物はその所有者の財産で管理義務がありますが、
こと大地震などのことえを考えると、倒壊や火災など、お隣の家にも影響を及ぼしかねません。
平常時は問題になりませんが、耐震性の弱い建物は、まわりに大迷惑を及ぼしかねないのです。

国もここ何年間か、国税をガンガンに投入して木造住宅の耐震化を促進してきました。耐震無料診断、耐震補強工事に対する補助金などがそれにあたります。建物の耐震性を高めることは、それだけ公益性にとって重要であるといえるのです。

だれに建物を診断してもらうか?が難しい


耐震診断を行う際、最初に行うのが現地での劣化診断です。同時に、地震力に抵抗する壁やスジカイがどの程度あるのかをみてゆきます。もちろん建築士などの専門家が行います。総じて”インスペクション”という言葉で表現しています。
なんだか横文字の未来的雰囲気漂う言葉で、一般の方にとってはなじみの薄い言葉だと思いますが、「耐震診断」だけではなく、建物全体の病気を調べる健康診断のようなイメージだと考えてください。

中古住宅の流通が発達している欧米では、かなり昔からインスペクション制度が一般化しており、その建物価格に影響するばかりでなく、リフォーム工事の優先順位を決定づける判断材料にもなっています。

ここ日本でも、昨今の空き家問題やストック社会の形成を目指して、中古物件の流通が期待されており、新築からリフォームへと業界もシフトしつつあります。建築業者や不動産業者と癒着のない、公平で中立性のあるインスペクションが重要であるということは疑う余地がありません。

しかしながら私自身もそうなのですが、インスペクションを行う建築士の多くがどこかのハウスメーカーや工務店に属している、ということも事実です。つまり工事営業の一環でインスペクションを行う、という可能性が多分にあるのです。

インスペクション業務のガイドラインには、このあたりの中立性・客観性についても触れられており、修繕方法のアドバイスや工事費用の目安についてお伝えすることは可能だが営業手段としてはならない、とあります。

このあたり、非常に難しい問題ですが、建築業者選びがとても難しいと同様、インスペクションをだれに依頼するのか、がとても重要になってきます。診断する人のさじ加減でどうにでもなってしまう、という側面もあるからです。

いずれ医療と同様、セカンドオピニオンのような展開もあるかもしれません。
最終的には、診断する建築士の評判や実績、経験などによるところが大きいのではないでしょうか?

 普段見ることができない屋根の状態を調査

調べるなら徹底的に調べないとフリーズしてしまいます(>_<)


市町村から派遣される診断士だから絶対大丈夫、というのも100%保障できません。
なぜなら診断の方法が大変に簡易的であり、目で見えない部分は評価の対象としないからです。

図面が残っていなければ、どこにスジカイがあるのかもわからず、床下や天井裏も入口からのぞける範囲のみで評価することになっています。診断結果は部分的なものになってしまい、過小評価につながります。
「修繕ではなく建て替えた方がいい」そんな風に判断させてしまう診断書が多くなるのではないでしょうか?
建て替えるにはそれなりの費用が掛かりますから、結果「なにもできない」、そんな風になってしまうこと、それこそ私が最も恐れることです。
税金で賄われる”無償診断”が、かえって耐震性の低い木造住宅を「放置せざるえを得ない」という状況を生み出しはいないか?

ファイバースコープによる筋違いの有無の調査(天井裏にある梁の状態も確認できる)※無料耐震診断では通常行われない

2階屋根裏の調査(雨漏りの有無や構造体の状況がおおよそ分る)※無料耐震診断ではあくまで除く程度

床下の調査(シロアリ被害や土台の腐朽有無、断熱材の状況、設備配管の漏水の有無などけっこういろんなことがわかる)※無料耐震診断では点検口からのぞく程度

もっとも大事なことは補助金をもらうことではない

市町村の耐震補強補助金を得るためには、市町村が派遣する無料耐震診断を実施し、その結果を踏まえた耐震補強工事を実施することが要件になっていることがほとんどです。
例年、新年度の4月から始まる募集は、前年度からの繰り越し(ずっと待っていたんですね)の方々であっという間に枠が埋まり、次年度に繰り越して応募してください、抽選になっちゃうかもですが、、、なんていうこともよく耳にします。
確かに補助金は大きい。何が何でも欲しい。
しかしそこにばかり意識を向けていると長期間待つことになります。そして本当に補助金がもらえるのか、という心理状況を生み出します。
耐震性能が基準を満たさない=大きな地震で倒壊する可能性がある、という判定をもらった後、そこに子供たちと共に暮らし続けることの心理的ストレスは計り知れません。

基礎に鉄筋があるかどうかを診断(無料耐震診断では普通行われない)

この内容のコラムを書こうかどうかずっと迷っていました。
といいますのも、昨年11月に起こった白馬から長野市北部にかけての大地震で、私の知り合い宅でも多少の被害があり、昨年末に市の無料耐震診断を申し込んだそうですが、すでに「待ち」の長い行列ができており、診断がいまだに行われておりません。
ようやくこの6月に行われるようになったらしいのですが、補助金を得たい場合、その結果を踏まえてさらに、耐震補強工事の計画→補助金申請→審査→交付予約決定→着工、というプロセスを歩むことになります。
もう少しテキパキ診断士を派遣することができないものか?
あんな地震があったんだから、予算を増やして募集件数枠を広げられないのか?
診断日すらなかなか決まらない、そして補強工事ができる日程の目途をたてることすらできない。
多くの方がそう感じていることと思います。

不安・不満を感じている方々に対して、建築士で木造診断士、インスペークターである私ができることがあるはずです。
ご信頼をいただけるようでしたら一度私にご相談ください。

(防災備品の備えもお忘れなく・・・)

Reborn-Studio一級建築士事務所
管理建築士 塩原 真貴
電話 026-274-5485
直通 090-1121-3993

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塩原真貴

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