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瓦屋根の家は、暑いのか?~屋根裏事情

2014年4月11日 公開 / 2014年6月19日更新

テーマ:断熱改修・耐震改修の手順

コラムカテゴリ:住宅・建物

みなさんは、自分が住んでいる家の屋根裏(天井裏)がどうなっているかご存知ですか?
見たことがないという人は、押入れやクローゼットの中の天井に入口があることが多いのですが、マスク、上履き、カメラ、懐中電灯などを用意して、是非いちど覗いてみることをお勧めします。
木造ならば普段目にすることののない構造材がそこにはあり、天井が吊り下げられてつくられているつくりを目にすることができるかと思います。むやみに乗ると足が天井を突き抜けたり、ダウンライトと呼ばれる埋め込み式の照明器具を踏んでしまうのでご注意を。

一般的な屋根裏の状態

とある木造在来工法の家の屋根裏の様子
20~30年前の家は一般的にこんな感じになっています。
(普通は断熱材があるはずですが、時としてない場合もあります。)

ビニールの袋に入ったグラスウール断熱材が敷き並べられています。
この袋入り断熱材には実は表裏があり、銀色の面が外側(太陽に近い側)になるようにを向けます。これは外部の熱を跳ね返す役割を期待してのことです。

残念ながら時として逆向きに並べられていることもあります。↓

逆に敷かれた断熱材

屋根裏の気温は、夏には60℃以上に。真冬でも晴れた日であれば30℃近くある空間です。室内とも屋外ともいえない中間的な空間ですが、温熱環境的には当然屋外になります。

この空間は断熱材を敷く人と電気の配線があるので電気屋さんくらいしか実際には入りません。建築主や建築士(設計士)、場合によっては現場監督でさえ見たことがない空間になります。

雨漏りが発見されたり蜂の巣があったり、コウモリの住処になっていることがあり、住宅点検の第一歩は
「屋根裏をのぞく」になります。

夏の夜、寝室がいつまでも暑く寝苦しい
トタン屋根で、雨の音がうるさい

そんな場合は、断熱材が入っていないケースがほとんどです。

また、断熱材が敷き詰められていたとしても、壁の直上がこのように見えていると、部屋を暖めた熱がこの壁の中を通りぬけて屋根裏を暖房しているということがあります。

間仕切り気流

冬、あなたの家の屋根につららがたくさん出来るようであれば、屋根裏に暖房の熱が逃げ、屋根の裏面を暖め、屋根に乗った雪が融け、水となって軒先まで垂れてゆき結果的につららになっています。

よく「トタンの屋根の家は夏暑い。瓦の方が涼しい」ということを聞きます。屋根裏がきちんと断熱された建物であれば屋根裏の温度には関係しますが、部屋の温度にはほとんど関係してきません。

また屋根裏に適切にいくつかの換気用の窓があるでしょうか。
常時空気の入れ替えがなされなければ気温はどんどん上がり、結果的にすぐ下の部屋の温度も上がっていきますので、夜になってもいつまでも涼しくならない、ということになります。


換気窓

屋根裏覗きのツボ



①雨漏りがないか
②蜂の巣などがないか
③室内でせっかく温めた暖かい(涼しい)空気や熱が、屋根裏に逃げていないか
④屋根裏に風を感じる程度の換気があるか


屋根裏一般②
恐ろしいものを目にすることもしばしばです(笑)
しおはら住宅デザイン設計のブログ

この記事を書いたプロ

塩原真貴

木造住宅を耐震・断熱構造に生まれ変わらせるプロ

塩原真貴(株式会社Reborn)

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