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塩原真貴

木造住宅を耐震・断熱構造に生まれ変わらせるプロ

塩原真貴(しおはらまさき)

株式会社Reborn

コラム

長期優良住宅化リフォームに対する本音

補助金

2014年4月1日 / 2014年6月19日更新

2月に初公募がありました「長期優良住宅化リフォーム推進事業
基本的には
①耐震強度を現行の耐震基準程度まで高めて、大地震時に倒壊させない。命を守る。
②サッシや壁・天井・床の断熱性能を高めて、エネルギーロスの少ない省エネ住宅に。
③劣化している部分の修理や屋根・外壁など雨漏りにつながる恐れのある箇所の更新や再塗装を促す。
④リフォーム後も定期的な点検や修繕を計画する。

このような内容をバランスよく既存の住宅に盛り込んだリフォームを推進する、これらに関するリフォーム工事費の最大1/3、上限100万円を税金で補助しましょう、ということなのです。

アベノミクス3本の矢の一つである成長戦略=景気浮揚策の一つとして平成25年補正予算が組まれたわけですが、住宅業界には一気に期待感が高まりました。
建築の”新築”は年々縮小傾向にありますから、建築業種の各社はリフォームへとシフトしていくものと考えられます。
しかし断熱や耐震のリフォームをきちんと施工している、あるいは計画・提案できる業者がどれほど存在しているのか、正直心配です。
暮らす人のこと、その建物を子孫が引き継ぐところまでを思い描くことができなければ無意味な税金投入だと思います。

3.11以降、防災・減災・省エネがこれほどまでに叫ばれている中、消費者の方も「耐震改修」や「断熱改修」への関心は大変高まっているのは事実です。



現に国交省担当課の話では、この長期優良住宅化リフォーム補助金へのエントリーは予算の5倍程度にまでなってしまい大変な競争率になっているそうです。(平成25年度補正予算 20億円)

私も今回応募していた事業計画が。先日幸運にも採択されました。しかし1棟あたりの限度額である100万円の希望でしたが80万円に減額されていました。



引き続き平成26年度予算(30億円規模)でも同様の公募があるとされていますが(今年4月中旬以降の発表になるとのこと)、競争率激化は避けられません。

部分的な断熱改修や300万~500万円規模のリフォームではなかなか採択にならないものと考えられます。

また、補助金が出ないのであれば断念せざるを得ない計画も当然でてくるでしょう。

選定をする基準は
「リフォーム後に高い性能が見込めること」
「多くの事業者(施主またはリフォーム会社)が本制度を利用できること」
「早期に且つ確実に工事着手が見込めること」
「工法や仕様について多様な事業者(施主またはリフォーム会社)が採択されるように配慮する」

また工事をするリフォーム会社の過去の実績も考慮されるため、悪徳リフォーム業者はこの時点ではじかれていくものと思います。

また先行して現況の建物検査(インスペクションともいいます)を有資格者(建築士)が行うことが必須とされていますので、劣化部分の発見やその対処方法、耐震改修工事の効果的な工法の提案、断熱改修によってどの程度省エネ効果が見込まれるかを住む人にあらかじめ精度よく提案できるか、などがこの長期優良化住宅リフォームに踏み切るか否かの重要なポイントになってくるはずです。



実際のところ木造住宅の耐震化や断熱性能を高めるリフォームを専門的に行っている会社や設計事務所はこれまでほとんどありませんでした。
計画の第一歩である建物診断(インスペクション)も床下や屋根裏の点検口の入り口から身を乗り出して見える範囲だけでよいとされています。

単に見栄えだけをよくするリフォーム一辺倒だったこれまでの流れが、この長期優良住宅化リフォーム推進事業によって、真に長く快適に住み続けることができる、あるいは安心して購入できる中古住宅の売買につながるきっかけになることを期待していますが、工事をする業者目線のものではなくそこに暮らす人の安心・快適に確実につながり、日本の将来を見据えたものになることを期待しています。



床をはぎとり、土台や基礎の状態を確認している様子


住みながらのリフォームは容易ではありません。一時的に引っ越していただくか、ゾーン分けをして部屋ごとに工事範囲を移動して行うか・・・。

この記事を書いたプロ

塩原真貴

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