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地方企業を活かす知財戦略…(20)

下田茂

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テーマ:地方企業と知的財産

「知財マインド」を如何に醸成するか!

■ このシリーズも節目の20回になりました。今回は、今まで書いてきたことを総括してみたいと思います。
■ コラムでは、地方企業(中小企業)における「知的財産(知財)」の重要性や必要性に加え、スピリチュアルな面に目を向けた「目に見えないもの」についても自分の思っていることを書いてきました。
◇ 「知財」は、科学的イメージがあり、一方、「目に見えないもの」は、スピリチュアル的(宗教的)イメージがあります。この二つは、一見相反するように見えますが、「目に見えない」点では共通していますので、この点も意識して書いています。
 今は、「知的財産」の言葉が一般に使われていますが、30年ほど前は「無体財産」の言葉が使われていました。無体財産は、自動車等の「有体財産」に対比した言葉ですが、その名の通り、体が無い財産のことになります。
◇ 人は、目に見えないもの、特に、その価値に対しては、どうしても自分に都合の良いように解釈したり行動しがちです。「目に見えないもの」の捉え方は、そのまま「知財」の捉え方につながるため、「目に見えない知財」を如何に、的確に認識するか、言い換えれば、あるべき正しい「知財マインド」を如何に醸成するかが重要なポイントになります。このため、知財の内容を判断するときには、ロジックに基づく技術的要素に留まらず、アイデアの本質を掴むことが重要になってきます。そして、この点が、目的とする的確な「知財戦略」を策定する出発点になると思っています。
■ ところで、「知財」に関して、現在、二大大国の「中国」と「米国」が大きく進展している状態にあり、他方、「日本」はどちらかというと停滞している状態にあります。
 本来、資源に恵まれない日本は、「知財」(技術)を資源として蓄積しなければならないにも拘わらず、二つの大国が知財資源をどんどん蓄積している皮肉な状態になっています。
◇ 「目に見えないもの」に対する重要性,必要性及び価値を認識し、資産として蓄えること、つまり、「知的資産」を蓄えることは、結果的に、企業の本質的な力である「技術力」や「信用力」などを高めることにつながります。そのためには、一人々の「知財マインド」の醸成はひじょうに重要になると思っています。
■ 今年も間もなく終わります。来年は、「知財マインド」の醸成という観点から力を入れて行きたいと思っています。
 少し早いですが、皆様には、よいお年をお迎えくださいますようお祈り申しあげます。

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下田茂
専門家

下田茂(弁理士)

みらい国際特許事務所 長野オフィス

個人から企業及び大学発明まで幅広く対応し、高い特許登録率を維持しています。持前の知財センスに基づき、特許権や商標権の取得はもちろんのこと、依頼者に満足して頂けることを第一に、広く深くアドバイスします。

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