こんな単純でも特許!
今回は、こんなに簡単でも特許になるという実例(そのⅡ)を挙げてみたいと思います。
Bさんは、あるとき、レストランで食事をした際に、テーブル上の割箸を見てふと思いました。この割箸は一回の食事で捨てられてしまう、何とか再利用できないか、と。割箸の中でも少し高級な竹の割箸は、下図のような形状をしており、仕上がりも良好です。そこで、割った形状の箸を一本単位で製作し、二本の箸を紙で巻けば、割箸と同じ感触で割れるのではないかと考え、そのアイデアを特許出願し、特許が成立しました。
この際、紙の割る部分にはミシン目を付け、また、資源の大切さを認識させるための表示も行いました。なお、紙の色は箸と同じ色にし、箸には透明なコーティング剤を塗布します。
このようなアイデアは、そんなに長い時間思案するなどの労力はいらないかもしれません。例えば、旅行などに行き、宿で食事をした際にふと思いつくこともあります。
ところで、アイデアを特許にするには、出願するタイミング(時期)も重要な要素となってきます。例示の割箸は、社会全体が省資源化を意識しはじめた初期の頃であれば、省資源化の一つのアイデアとしてその価値が相対的に上がり、特許も成立しやすくなります。
特許は、出願してから20年間権利が継続します。現時点では価値があまりなく、製作も困難なものであっても、5年後、10年後…には、価値が高くなり、容易に製作できるかもしれません。特許の出願も先見の明に基づく判断が重要になってきます。