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 国の知的財産政策について

下田茂

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テーマ:国家政策

 国(政府)の知的財産政策となる「知的財産推進計画2013」が先月発表になりました。少しお堅い話題になるかもしれませんが、企業の皆さんなどにも広く関係してきますので、主要政策の一部を紹介します。
(1) 「職務発明」に関する制度の見直し
 現在の制度では、会社における職務上の発明(職務発明)は、基本的に発明者個人に帰属し、会社は発明者から譲ってもらう制度になっています。この結果、青色発光ダイオード訴訟のように、会社は発明者から高額の対価(金額)の支払いを請求される場合も発生し、会社によっては経営に支障を生じることも考えられます。
 この点が問題視され、今回、職務発明を会社に帰属、又は会社側と発明者の話し合い(契約)に委ねる制度にする方向で進んでいます。
 この問題は、こちら立てればあちら立たずの問題であり、発明者を優先すれば、経営が不安定となり、会社を優先すれば、発明者の発明意欲が減退することになるため、バランスが必要となります。どちらを優先すべきかは各企業の状況によっても異なるため、柔軟に対応できるようにすることがよいのではと思っています。いずれにしても、会社と発明者は、目的が同じで同じ方向の列車に乗っているわけであり、対峙関係が生じるようなことは望ましくないと思います。
(2) 中小・ベンチャー企業に対する支援強化
 中小・ベンチャー企業に対しては、様々な側面から支援する必要があり、特に、特許料や審査請求料の減免制度を拡充する方向に進むと思われます。
 この点は、個人的にも期待しています。現在、特許の審査請求料は高すぎるとともに、半額にする減免制度もありますが、如何せん手続きが面倒すぎます。米国のスモールエンティティ制度のように手続きを簡略化してほしと思います。
 米国の場合、例えば、従業員500人以下の会社等の条件を満たせば、宣誓するだけで半額に減額されます。さらに、前回の法改正でマイクロエンティティ制度が創設され、一定の条件を満たせば75%減額されます。
(3) アジア諸国に対する対策
 この点は、直接関係してくる話ではありませんが間接的に関係してきます。簡単に言えば、アジア諸国を支援することにより、海外に進出している企業が現地で特許を取得し易いようにしたり、侵害排除等の権利行使を有効にできるようにする等の狙いがあります。

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下田茂(弁理士)

みらい国際特許事務所 長野オフィス

個人から企業及び大学発明まで幅広く対応し、高い特許登録率を維持しています。持前の知財センスに基づき、特許権や商標権の取得はもちろんのこと、依頼者に満足して頂けることを第一に、広く深くアドバイスします。

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