地方企業を活かす知財戦略…(1)
このタイトル、実は、本のタイトルが「二番煎じ発明こそ不況克服の一番策」のサブタイトルです。
私は、会務の関係で、月に二回ほど東京に出かける機会があります。会務とは日本弁理士会の委員会のことです。本年度は、特許第一委員会の委員と不正競争防止法委員会の副委員長を任命されています。
東京へ出かけたときは、東京駅近くの八重洲ブックセンターに寄るようにしています。長野と違い東京の大型書店には知財関係の本がほとんど揃っています。そこで、今回、目に付いたのはこの本。2年ほど前に出版された本ですが、ちょっと中身を紹介してみます。
著者は、三備アルミニウム工業株式会社社長の黒瀬一敏氏。発明は、生活を便利にするなど、「社会的貢献」をしており、強い意識があれば発明は誰にでもできるとしています。それ故にこの本のタイトルにしたと書いています。現在、日本は、海外への技術流出が大きな問題となっていますが、日本も、戦後、アメリカの製品や技術を真似ることにより、その復興を果たしており、基本的な発明のみが発明ではなく、基本的な発明をより磨きあげること、つまり、ちょっとした改良でも、より便利になったり安くできるようにすれば、立派な発明が成立する趣旨のことを氏は言っています。
現在、中国などが行っていることは、まさに日本の技術(発明)を真似た「二番煎じ発明」ではないかと思っています。我々も戦後復興時のような原点に帰り、発明に対するハングリ精神を思いだしてみるのも、中国などに対抗し、元気を取り戻す(一番)策かもしれません。