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コラム

起こって欲しくないが、起こるのが労務リスク

2020年8月9日

テーマ:労務管理

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 労務管理問題社員社労士 相談

小さな会社は疑似家族?



家族は大切だということに
異を唱える人はそうはいないでしょう。


家族


そして、
近しい身内が故にトラブルになると
余計に面倒なことになることもあります。




これは会社でも一緒ではないでしょうか?




会社にとってヒト
つまり、従業員は大切な存在です。


社員



特に小さな会社だと疑似家族のような
感覚を日頃感じることがあります。




むしろ家族より長い時間を
一緒に過ごすわけですしね。




だからこそ、
トラブルが起こったときは
物理的な面もさることながら
感情的な面も無視できません。





そもそも
家族の場合は、決まった
ルールはありません。
いわゆる暗黙のルールです。



家族のルールを紙に
書き出しているのを
私は見たことがありません。




もちろん、
日本中のどこかの家族には
あるかも知れませんが・・・。





家族の場合は、家族愛(愛情)
がベースになって、暗黙の
ルールが運用されるわけです。





ところが、
これも決して万能ではありません。
ほんの些細な行き違いや思い違いで
問題に発展することもあります。


ルールを作る本当の意味?




では、会社の場合はどうでしょうか?





家族同様の愛情ベースのルール運用は
望むべくもありませんよね。




そうであれば、
疑似家族という甘えを排除して、
しっかりとルールを作ることが必要です。




しかも、明文化がしなければ意味が
ありません。




もちろん、
そもそも法律上の要請があるのも
事実ですが、それ以上に会社内に
疑心暗鬼や不協和音を生まない
ためにも必要です。





その目的は、本質的には、
良好な職場環境整備と社員同士が
協力し合い、目標達成に向けて
一丸となって安心して働いてもらう
ためにも必要なものです。





当然ながら、ヒトに関することは、
重要な経営課題そのものです



小さな会社の労務リスク対策のキモは?




具体的には、
各種規定の周知徹底と運用が
ベースとなります





企業リスクの80%以上が
ヒトに関わるものと言われています。




ですから、
会社規模に関わらず、一人でも
従業員がいる限り労務問題は
存在するわけです。


労務管理




労務リスクが顕在化した場合、
それが企業経営に与える影響は
甚大です。





そのためこれらの労務リスクを
可能な限り低減していくことが
会社に求められるのも必然です。





そのための取り組みがリスク対策
としての労務管理です。





しかし、
いざ労務管理に取り組もうと
しても、なかなか組織に定着
していかないのが実情です。



小さな会社の労務管理の根っこにあるものは?



労務管理では、
管理者や部下の性格や就業意識
などといった属人的な要素が、
その運用に多大な影響を及ぼす
面があるからです。




その一例として、
会社の労務管理方針とは異なる
イレギュラーな運用が現場の
管理者の独断で行われることが
あります。





実は、それが労務リスクが発生
原因になることもあるのです。





例えば、
「多少の残業は当然だ」と
考える管理者は、
「自分の部下に多少の残業を
させても問題ない」として、




企業が定める基準よりも
長時間の残業を命じてしまう
もしくは、黙認してしまう
ことがあります。





労基署の調査が入ったときなど
「いつも早く帰れって言って
いるんですけどね」などと




もはや、「私は労務管理する気が
ありません」と宣言したのかと
疑いたくなる管理者がいるのも
事実です。





そして、
長時間労働規制の法律が施行
されたこともあり、こうした
残業命令を労働契約に関する
権利意識が強い部下が受けた
場合






残業命令に不満を感じる可能性
が高いでしょう。
というか、長時間労働規制を
超えての残業は、そもそも違法
ですが・・・・。


法違反



そして、そうした残業命令が
繰り返されることで部下の不満は
限界に達する可能性大です。





最終的には
「不当な残業命令を繰り返し受けた」
として、労基署等に駆け込むことに
なるかもしれません。





このように、
属人的な要素の影響を受ける点が
労務管理の根っこにある問題です




就業規則を絶対視してはいけない理由



会社のルール(規程)は、
制定当初は、自社の企業防衛や
円滑な業務遂行などの目的の
ために作られたはずです。






ところが、
建前(規定)と本音(現実の運用)の
ギャップに、あまりにも乖離があると、
むしろ無い方が良い場合もあり得るの
です。





なぜなら、現実的には建前=本音に
なるケースは極めて稀だからです。





その乖離の事実を踏まえれば、
殆どの規定には、あらゆるリスクが
内包していると言わざるを得ない
のです。






就業規則の対象者はヒトであり、
運用するのもヒトであることを
決して忘れてはいけません。




だとすれば、
ある意味、就業規則を絶対視しない
ことが重要なのです。



そして、『完璧』にリスクコントロール
することは、不可能だと知ることが
大事なのです。


小さな会社の労務リスク対策3つのポイント




それを踏まえた上で、労務リスク対策に
必要な3ポイントがあります。




(1)就業規則(ルール)の整備

(2)業務改善による正しい業務のあり方

(3)それを実践していくための業務の標準化



あなたの会社は労務リスク対策をしていますか?

この記事を書いたプロ

内布誠

会社中をワクワクさせる人材育成(研修)のプロ

内布誠(ウチヌノ人事戦略事務所)

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