座った姿勢と痛み
腰の痛みと座っている姿勢の関係について
腰の痛みは、姿勢と関係が深いことは、前回のコラムでも書きました。立っているよりも座っている方が、椎間板の負担も大きいこともお伝えしました。コロナ禍でリモートワークも増え、前屈みの姿勢でパソコン作業をしたり、おうち時間でテレビを見る時間が長くなると、自然と身体は前かがみの姿勢が長くなり、椎間板への負担も大きくなります。10代後半には椎間板の水分含有率が低下してくることもありますので、背中が硬くなって持続的に前屈みの姿勢を取ることは、腰には決して良くありません。また、座り方によっても腰の負担は変わってきます。注意していきたいものです。
座った時の体重のかかり方は、通常は一番上の写真のように、左右の坐骨にしっかり体重が乗った状態で座るのが良いです。しかし、下の写真のように左後方に体重がかかったり、右後方に体重がかかった状態で座っていると、身体が前屈みになるだけでなく、骨盤が捻れた状態になります。腰の筋肉だけでなく、仙腸関節や椎間関節といった腰の骨を繋ぐ関節に過剰な負担がかかり、痛みが出やすくなります。椎間板は、背骨と背骨の間にあり、クッションの役割をするのですが、椎間板の負担が大きくなるだけでなく、関節の負担も大きくなるのです。こうした関節や椎間板の負担を軽減しようと、筋肉が過剰に持続的に緊張してしまう状態になります。交感神経優位な状態となり、腰の痛みだけでなく肩凝りや頭痛など様々な症状を発現してしまうことになります。
姿勢にはいろいろなものが影響する
姿勢に影響を与えるものを、いくつか挙げてみます。
①心の問題(心理的ストレス)
②気温や気候、気圧など。
③自律神経のバランス。
④生活習慣や動作習慣、姿勢習慣。
⑤サーカディアンリズム(一日の身体のリズム)。
⑥夜更かしや飲みすぎ、食べ過ぎなど
これ以外にも、様々なことが姿勢に影響します。姿勢は、きちんと正すことが重要ですが、意識して正すことの出来る部分と意識していても正すことが出来ない部分があり、その両方が重要になります。
運動療法は姿勢改善に効果的
こうした状態を改善するのに、運動療法は有効です。運動と運動療法は違います。運動療法は、その人の症状を軽減したり運動機能を改善する目的で、きちんとした検査・評価のもとに、目的に合った運動を指導します。症状を軽減したり動作を改善する目的で行うのであれば、正しい評価を元に適切な運動を、その人に合った正しいやり方で実施する必要があります。姿勢は人によってまったく異なります。骨の形も大きさも、すべての人で同じではないのです。骨の形は、姿勢や動作によって生じる力学的影響を受けて変化します。生まれてから歩いた経験のない方がいらっしゃいますが、体重をかけることが出来ない方の骨の形は、大人になっても通常の大人の骨の形とは違うのです。適切に体重をかけていくことが、痛みや凝りなどの症状を軽減させるうえで不可欠です。
個別にその人に応じた検査とトレーニング指導をします
腰痛予防における運動方法は、様々なものが紹介されていますが、基本的には個別にトレーニング指導をすることが最も効果的です。これまでも、スポーツ現場やクリニックなどで、たくさんの皆様の施術やトレーニング指導、日常生活での指導などを行ってきました。皆様のご期待に応えられる症状改善の糸口をご提供していきます。以下のQRコードからもご予約頂けます。是非ご連絡をお待ちしております。