人手不足の会社が、AIやITに任せられる仕事の見つけ方|人を増やす前にできること
仮に、有料のプランを契約して、説明会も開いたとします。それなのに3か月たって、使っているのは1人か2人。「うちの社員にはまだ無理だった」。そう結論を出す前に、見直してほしいことがあります。
結論から書きます。ツールの高機能さより、誰も置いてけぼりにしない学びの設計こそが、定着するかどうかの分かれ道です。 見直すのは3つ。始め方、教え方、使う場面です。
1. 始め方:全社で一斉に始めていないか
全社で一斉に始めると、たいてい止まります。詳しい人だけが先に進み、苦手な人が置いていかれるからです。
最初に使う人を、1人だけ決めます。選ぶのは「いちばんパソコンが得意な人」ではありません。その仕事をいちばん多く抱えていて、周りに聞かれる立場の人です。その人が普段の仕事で1つ使えるようになると、周りは説明書ではなく隣の人の手元を見て覚えます。
もう1つの基準は、「分からない」と言える人かどうかです。分からないことを、分からないと言ってもらえるほうが、話は早く進みます。
2. 教え方:説明書で教えていないか
宮崎市の社会教育講座で、スマートフォンでAIを使う入門講座を全3回担当しました。参加されたのは60代から80代の方が中心です。専門用語を使わずに、その場で一緒に操作しました。
教え方の芯は、そこにあると思っています。説明会を1回開くより、隣で一緒に操作する時間のほうが、使えるようになります。道具がどれだけ高機能でも、使う人が置いていかれたら定着しません。
3. 使う場面:何に使うかが決まっているか
「何かに使ってみて」では、使われません。使う場面は、仕事の棚卸しの中から出てきます。やめられない仕事のうち、毎回同じ手順で、時間がかかっているもの。最初は1つで十分です。使う場面が1つに決まると、教える中身も1つに絞れます。全部の機能を教える必要はありません。
そして、始める前に「うまくいった」の形を言葉にしておきます。「金曜の夕方に、来週の集計を手で作らなくてよくなっている」。この形なら、できたかどうかを誰でも判断できます。数字は、後から数えれば出ます。
まとめ
- 始め方:一斉ではなく、その仕事を抱えている1人から
- 教え方:説明書ではなく、隣で一緒に操作する
- 使う場面:棚卸しで出てきた仕事を1つ。「うまくいった」の形を先に言葉にする
AIは魔法の箱ではありません。入れれば何とかなるものでもない。でも、使い方を間違えなければ、人手不足の現場を確かに助けてくれます。宮崎の会社で、置いていかれる人を1人も出さずに進めること。私が大事にしているのは、そこです。


