朗読ボランティア 「杜の音通信」 (H29年8月号)

長野淳子

長野淳子

テーマ:朗読

平成26年の9月から、月1回のペースで朗読ボランティアに伺っている 「ギャラリー杜の音」
8月は、以下の5作品を朗読しました。

① 川端 誠:作・絵 落語絵本 「たがや」
② たばた せいいち :作・絵 「さっちゃんのまほうのて」
③ 久世 光彦 :作 「触れもせで」~向田邦子との二十年~より 「おしゃれ泥棒」
④ 向田 邦子 :作 「眠る盃」 より 「字のない葉書」
⑤ 矢野 竜広 :作 「そこに日常があった。」 より 「当たり前のこと」


① 川端 誠:作・絵 落語絵本 「たがや」   




江戸の頃から、隅田川の花火は夏の一大風物詩。
両国橋は、すしづめの大混雑、川面も屋形船でいっぱいです。
長屋をあげての花火見物に、ひと月後には赤ん坊が生まれるというたがや夫婦も、出かけていきました。
花火の音が轟くなか、なんとおかみさんが産気づき・・・




夏のこの時期にぴったりの、 「人情噺」
江戸っ子のきっぷの良さと、落語調のテンポの良さを、
今回は田中さんが持ち前の明るさで、小気味よく表現してくれました。
杜の音の皆さんも、絵本を見ながら楽しそうに聞いて下さいました。


② たばた せいいち :作・絵 「さっちゃんのまほうのて」




この作品は、童話作家である田畑精一さんと
「先天性四肢障害児父母の会」 の野辺明子さん、志沢小夜子さんの共同制作によるものです。




読んだ後、思いのほかすがすがしい気持ちになれる、
子どもに関わる大人の方みんなに読んで欲しい作品です。

今回は、三浦さんが、障害への思いと親娘の会話を、優しい眼差しで読んでくれました。
杜の音の皆さんも、涙ぐみながら聞いて下さいました。


③ 久世 光彦 :作 「触れもせで」 より 「おしゃれ泥棒」




演出家であり、作家としても見事な作品を残した 久世光彦氏 による、
脚本家 向田邦子さん との思い出を綴ったエッセイ。
「触れもせで」 というタイトルが実に意味深です。




偶然にも今回伺った8月22日が、向田さんの命日だったこともあり、
「向田さんが大好き」 という村山さんが、思いを込めて読んでくれました。
杜の音の皆さんも、じっくり聞き入って下さいました。


④ 向田 邦子 :作 「眠る盃」 より 「字のない葉書」  




タイトルの 「眠る盃」 は、
「荒城の月」 の一節 「めぐる盃」 を間違えて覚えてしまったという話からきたもの。
不器用な父親へのさりげない愛情や、長女らしいしっかりとした性格、女性としてのこだわりなど、
向田さんの人柄が偲ばれるエッセイ。美しくてユーモア溢れる文章が、とても魅力的です。




日々の出来事一つ一つを自分の感性で丁寧に受け止めているから、
こんなに美しい文章が書けるのでしょうね。
杜の音の皆さんの中には、涙を拭いながら聞き入って下さる方もいらっしゃいました。


⑤ 矢野 竜広 作 「そこに日常があった。」 より 「当たり前のこと」 


「太陽がのぼること」 で始まるこの詩は、
「当たり前に思えてしまうこと その一つ一つが 本当は奇跡」 という内容で、
ステージ・アップの朗読会でいつも最後に、参加者全員で読んでいる詩です。




「杜の音」 でも、いつも結びに全員で、音楽にのせて読みます。
「この詩のコピーを部屋の壁に貼っています」 という方もいて
「毎回この詩を朗読するのが楽しみです」 とおっしゃって下さいました。





読んでいる間の 皆さんからの 「笑い声」 や、読み終わった後の 「拍手」 「楽しかった」 の声が
「朗読して良かった~」 と思う瞬間です。
そうした声を励みにして、これからも 「朗読ボランティア」 を続けていきたいと思っています。
当日の様子はこちらから http://www.stage-up.info/contents/cat9/cat23/-298.php

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長野淳子(講師)

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言葉には話す人の思いが宿ります。「生きた言葉」を日頃から使って、物事を人生をいい結果に導きましょう。ステージ・アップは、司会・朗読・講演・講座など様々なシーンに合わせて「生きた言葉」をお届けします!!

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