「お身体をお厭いください」 相手を思い遣る 大和言葉
「召す」 は相手を尊ぶ 「大和言葉」
「召す」 は、古典では 「見る」 「呼ぶ」 「食を与える」 「食べる」 「着る」 「乗り物に乗る」 などの
行動を尊んで言う場合に使う表現で、いずれも 「尊敬語」 です。
「着ている物」 を尊ぶ
例えば、相手の着ているものを尊んだ言い方が 「お召し物」
「お召し物」 というと 「着物」 を連想して 「和装」 を思い浮かべがちですが、
本来は和装・洋装に関わらず 「着ているもの全般」 を指し、
「品のいいお召し物ですね」 「すてきなコートをお召しですね」 というような使い方をします。
また、衣服を着替えることを 「お召し替え」 と言います。
「お着替え」 でも間違いではありませんが、
「お召し替え」 の方が、目上の人やお客様への敬意を表すことができます。
ただし、結婚披露宴で花嫁が 「白無垢」 や 「純白のウエディングドレス」 から
「色打掛」 や 「カラードレス」 に着替えることは 「お召し替え」 とは言わず
「嫁ぎ先の家風に染まる」 という意味合いから 「お色直し」 という表現をします。
「高貴な方」 を尊ぶ
ちなみに 「お召」 には、「高貴な人が使うもの・借り上げたもの・買い上げたもの」 についても使い、
「天皇や皇族方がお乗りになる列車」 を 「お召列車」 と言います。
「様々な動作」 を尊ぶ
その他にも 「召す」 は 「身に付ける」 「身に取り入れる」 という様々な動詞に使われ
「召し上がる」・・・・「食べる」 の尊敬語
「風邪を召す」・・・・「風邪をひく」 の尊敬語
「花を召しませ」・・・「花をお買い下さい」 の尊敬語
「天に召される」・・・「亡くなる」 の尊敬語
「腹を召す」・・・・・・「切腹」 の尊敬語
など、様々な表現があります。
「相手の行動を尊ぶ」 大和言葉・・・「お召しになる」
柔らかな響きの尊敬の言葉として、ぜひ皆さんも使ってみてください!
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