朗読劇 「悪女について」 仙台公演 ダイジェスト
昨年の9月から、月1回のペースで朗読ボランティアに伺っている 「ギャラリー杜の音」
4月は、志賀直哉の 「転生」、川端康成の 「雪隠成仏」 を読みました。
朗読で大切なのは「作品紹介」
志賀直哉の 「転生」 は、気の利かない細君と癇癪持ちの夫の物語で、
生まれ変わったら今度は人間ではなく、同じ動物になって仲良く暮らそうと約束した
夫婦におきる出来事を、おとぎ話風に仕上げた作品です。
川端康成の 「雪隠成仏」 は、「花見のトイレ問題」 を題材にした作品で、
「貸トイレ」 でひと儲けしようとした夫に起こる事件を描いています。
いずれも 「明治の文豪がこんな作品を書いていたの?」 とちょっと意外な感じのする短編で、
どちらも 「夫婦物」 で、くすっと笑えて、ちょっと怖い落ちがついています。
朗読にあたって毎回考えるのは、作品の紹介の仕方。「落語のまくら」 のようなものです。
ちなみに、「雪隠成仏」 の紹介はこんな感じです。
川端康成 「雪隠成仏」の作品紹介
仙台にも、やっと桜の 「開花宣言」 が出されました。
「開花宣言」 が出されれば、いよいよ 「お花見」 のシーズン到来。
桜の木の下では、毎日のようにブルーシートの 「陣取り合戦」 が繰り広げられます。
桜を愛でながら 「飲めや飲めやの大騒ぎ」 となれば、当然のことながら行きたくなるのは 「トイレ」
近頃は、簡易トイレが設置されているところも、多くなっていますが、
それでも、どこのトイレも長蛇の列で、モジモジしながら順番を待っている光景をよく目にします。
この 「お花見のトイレ問題」 は、どうやら今に始まったことではないようで、
明治の文豪、川端康成が、この 「花見のトイレ問題」 を題材に、面白い作品を書いています。
「川端康成」 といえば、「雪国」 や 「伊豆の踊子」 などで有名な、
日本初のノーベル文学賞を受賞した作家ですね。
ちなみに 「トイレ」 は、実に様々な言い方がありますね。
皆さん、思いつくままに言ってみてください。(すると、次々と声が上がりました)
「WC」 「お手洗い」 「化粧室」 「お便所」 「御不浄」 「はばかり」 「厠」 「手水場」 そして 「雪隠」
そうです 「雪隠」 題名は 「雪隠成仏」
どうやら、「お手洗い」 で何やら事件が起こるようです。
それでは、お届けしましょう。 川端康成作 「雪隠成仏」
朗読の楽しみ方
今回は、皆さんから出た 「言葉」 をホワイトボードに書き出していきました。
耳で聞くだけでなく、目で見ることで、より楽しんで頂けたようです。
毎回、作品選びに始まって、登場人物の配役やBGMなど、
読む人も聞く人もお互いに楽しめるように、工夫していく事が大切と思っています。
そして読んでいる間の 「笑い声」 や、読み終わった後の 「拍手」 や 「楽しかった」 の声。
「朗読して良かった~」 と思う一瞬です。
そうした声を励みにして、また次回へと進んでいきます。
私たちのできることとして、これからも 「朗読ボランティア」 を続けていきたいと思います。
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