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「雛祭り」 の会で 「雛」 を朗読しました

2014年3月4日 公開 / 2014年6月4日更新

テーマ:朗読

コラムカテゴリ:スクール・習い事

3月2日㈰ 「雛祭りの会」 に、お招きに与かりました。



「雛祭りの会」 が催されたのは、学生時代の友人が参加している 「ビューティーラウンジ」 で
大きな窓から街並みが見渡せる、開放感のあるサロンでした。



会場には、メンバーの皆さんがそれぞれに持ち寄った、お雛様がたくさん飾られていて
お母様が手作りなさったという 「千代紙」 の可愛らしい雛人形や、
中には、なかなか手に入れることが出来ない 「堤焼き」 の雛人形もありました。





そうした中で朗読したのは 「雛祭り」 のこの時期に必ず一度は読む、芥川龍之介の 「雛」
これまでも、丸森の 「斎理屋敷」 や 「お茶会」 の席で、読ませて頂いた作品です。

「これは或老女の 話である」 ・・・で始まるこの作品は、
芥川龍之介が32歳の時に、中央公論に発表したもので
江戸から明治へと移り変わる時代に、没落して昔から家に伝わる 「雛」 を手放すことになった
御用商人一家のそれぞれの思いを描いた物語です。

老女が、自分の15歳当時のことを思い出しながら語るというスタイルになっていて、
それぞれの家で時を過ごしてきた 「雛」 の前で読むのに、まさしくぴったりの作品です。

今回は45分の作品を、20分に編集しておおくりしましたが、
サロン一杯に集まって下さった皆さんは、身じろぎもせず、じっくりと聞き入って下さいました。



朗読の後、メンバーの方の手作りの品をご馳走になっていると、
一人の女性が私のところにいらして、ご自身の 「雛人形」 の思い出を語って下さいました。

「小さい頃自分の家にも雛飾りがあったが、父の転勤が多かったため持っていくことが出来ず
雛飾りを従姉妹にあげてしまった。その従姉妹も昨年病気で亡くなってしまって・・・・・
今日、朗読を聞きながら あのお雛様に会いたいと思った。
お参りもかねて、従姉妹の家を訪ねてみようと思う」  というお話でした。


やはり、みなさんそれぞれに 「お雛様」 の思い出があるのですね。


私の家にも両親が買い揃えてくれた、七段飾りの 「雛人形」 が一式あります。
当時は、一段ずつ揃えていくという買い方もできたようで、
我が家のお雛様も、一年目はお内裏様とお雛様、次の年は三人官女、次の年は五人囃と
段々に増えていきました。

5歳下の妹がまだ小さい時、気がつくと雛飾りの前で、妹が一生懸命何かしています。
何をしているんだろうと近寄って見てみると、妹は一つの人形を手にとって、
その顔をペロペロ舐めていました。

それは・・・♪ 「あ~かいお顔の右大臣」 でした。
一人だけ赤く染まった 「右大臣」 の顔が、妹には美味しそうに見えたのかもしれません。
お陰様で、我が家の 「右大臣」 には、両の眉毛がありません。
毎年お雛様を飾るたびに、この話になってみんなで笑います。



それぞれにある 「お雛様」 の思い出。
「お雛様」 も、きっとそれぞれの 「家族の思い出」 を、一緒に見ているのでしょうね。
それぞれの 「思い出」 にふれた今年の 「雛祭り」 は、ひと際 「思い出深い」 ものになりました。


斎理屋敷での朗読はこちら http://www.stage-up.info/person/cat1/post-54.php
お茶会での朗読はこちら  http://www.stage-up.info/person/cat1/post-77.php




この記事を書いたプロ

長野淳子

生きた言葉のプロ

長野淳子(ステージ・アップ)

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