年金という用語は公的年金保険だけに使って欲しい
前々回【5】と前回【6】は1つ目の「これまでの『ねんきん加入履歴』です」
を確認しました。
次に「これまでの国民年金の納付状況です」を見てみましょう。
ポイントはただ1つ。納付状況に「誤り」が無いかを確認します。
「これまでの『ねんきん加入履歴』です」
(前々回【5】 http://mbp-japan.com/kyoto/money-2nd/column/3198/)
②の列「加入制度」で「国年(国民年金)」に該当する期間がこの用紙に
反映されます。
次のような内容が記載されていると思います。
・納付済 : 国民年金を納めた月
・未 納 : 国民年金を納めなかった月
・免 除 : 収入の少なかったり無かったりした期間で保険料の免除申請済みの月
-免除には全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除の4パターンが
あります。なお、2006年6月までは全額と半額の2パターンでした。
-障害年金を受け取っている人や生活保護を受けている人は、自動的に
全額が免除されます。
特に次の3つがわかりにくいのでご注意ください。
・ / : 厚生年金や共済年金の月
・3 号 : 厚生年金や共済年金の配偶者に扶養されていた月
・学特等 : 学生の納付特例(※1)や若年者の納付猶予(※2)を申請した期間
多くの人が「納付済」「未納」「/」「3号」ではないでしょうか。
過去を思い出していただき、記載されている記録と実際が間違っていないか
確認してください。
※1 学生納付特例制度
通常の免除との違いは、
通常免除 所得を得ている人として、本人・配偶者・世帯主まで対象
学生免除 所得を得ている人として、”本人のみ”が対象
ということで、学生ならではの免除のされ方です。
※2 若年者納付猶予制度
2005年4月から2015年6月までの制度です。
30歳未満の場合は、通常免除と同じ所得対象なのですが、
若年猶予 所得を得ている人として、”本人・配偶者のみ”が対象
ということで、世帯主が外れています。
具体的には、収入のある親と同居していても本人および配偶者の収入が
一定額を下回れば猶予制度の対象となるわけです。
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学生納付特例制度と若年者納付猶予制度については、注意点があります。
詳しくは今後のコラムで書いていきますが、免除した期間というのは
年金を将来受け取るための権利に必要な期間には反映されますが、
将来受け取る額には反映されません。
額に反映されないなら免除・猶予の申請をしなくてもええやん、
面倒くさいし、そもそもよくわからんし、という声があります。
特に20代の方々やその親御さん、お近くにそのような方々のおられる場合には
ぜひ知っていただきたいのですが、年金とは将来受け取るためだけの仕組み
ではありません。
年金には「障害年金」といって、万が一障がい者になってしまったときに
助けてくれる仕組みがあります。これは「未納」では効果を発揮してくれません。
保険料を納める、納めることが難しければ免除を申請する。
このことで、保障の仕組みが活かされるのです。
だからこそ、いわゆる義務教育の期間に、年金をはじめとした社会保障制度を
少しでも学ぶ機会が必要なんだと思っています。
(すみません、コラムからそれました。)
なお、20歳以前よりお勤め(厚生年金または共済年金)で、一度も退職・離職
された経験の無いような人には、今回の「これまでの国民年金の納付状況です」は
入っていません。国民年金の期間が1月(ひとつき)もなかったということです。
<注記>
年金にはさまざまなパターンが存在します。
コラムでは代表的な例しか取り上げることができません。
気になることや確認したいことは、所轄の年金事務所へお問い合わせください。
記録に関する正確な情報は、間違いなく年金事務所で確認できます。
よりよい受け取り方や付随する情報等を希望されるようでしたら、
お近くのFPや社会保険労務士さんをお尋ねください。
その際には、私も含め相談に関しては有料が多いと思いますので
ご留意のうえ、ご活用くださいませ。
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