交通事故は慰謝料の増額より,後遺障害の認定の上積みが弁護士の力の見せどころ
京都府下全域にわたって,自転車に乗る場合,自転車事故に備える保険に加入することが義務化されます。
開始時期は,来年(平成30年)の4月からです。
詳細は,京都府の下記HPを確認していただければと思います。
http://www.pref.kyoto.jp/kotsuanzen/20170707.html#Q8
ただし,この「義務化」には,加入していない場合の「罰則」がなく,どこまで自転車保険が浸透するかは不明です。
しかし,ひとつ言えるのは,条例で義務化された以上,「条例に違反して保険に加入していない」ことは,万一,事故を起こして相手に怪我をさせ,加害者となってしまった場合の刑事処分の重さの判断では,考慮される(当然,「未加入」の場合,処分が重くなる方向に働きます)と思います。
つまり,ここからは,自動車の話となりますが,現在,自動車を運転して交通事故をおこし,相手に怪我をさせた場合,相手の怪我に対する賠償義務を果たせるだけの保険(この場合は,「任意保険」を主に差します。)を契約しているかどうかは,刑事処分(罰金や下手をすると刑務所にまで行くこと)の重さを判断するひとつの材料になっています。
また,強制保険である自賠責保険(共済)に未加入の状態で運転した場合は,「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」となります(この他,交通違反となり違反点数6点が付され、即座に免許停止処分となります)。
さらに,自賠責保険(共済)の証明書を所持していなかっただけでも30万円以下の罰金が科せられます。
自転車の場合,自動車の自賠責保険ほどの罰則がつくことは現状ありませんが,上記,自動車の場合,任意保険は「義務化されていない」にも関わらず,実質的には刑事処分の重さを判断する材料となっているので,それ以上に,「義務化された」自転車の保険につき,未加入の状態で事故を起こした場合は,刑事処分の重さが変わってくることは十分に予想されます。
ですので,「罰則がない」からといって,「自転車事故に備える保険に加入しなくともよい」ということは決してありませんので,皆様,ご注意ください。