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笠中晴司

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笠中晴司(かさなかせいじ)

丹波橋法律事務所

コラム

自転車事故における未成年者の責任,親の責任(2)~「主に刑事責任について」~

自転車事故

2016年11月8日 / 2017年3月3日更新

今回は,未成年者が自転車事故を起こし,相手に怪我をさせた場合の刑事責任につき,具体的に述べます。

まず,自転車で事故を起こした場合の刑法での扱い(成人も含めた取り扱い)につき説明すると,相手の怪我が大きく,加害運転者の過失が大きい場合は,「(重)過失致死傷罪」として処罰される場合があります。

簡単に( )書きで「重」と書いてしまいましたが,「重過失」となるのか,単なる「過失」で済むのかは,非常に差が大きいです。

つまり,「過失致傷」に止まる場合は,最大でも「罰金30万円」です。
しかも,「親告罪」と言って,被害者から告訴がない限り,処罰されることはありません(過失致死の場合は,親告罪でなく,告訴がなくても処罰でき,最大で罰金50万円)。
一方で,「重過失致死傷」とされてしまうと,「親告罪」でなくなり,最大で「懲役5年または100万円以下の罰金」となる可能性があります。

これは,刑法の一般規定ですので,未成年の場合は別の取り扱いがされます。

まず,14歳未満の未成年者の場合は,刑事責任能力はありませんので,上記処罰を受けることはありません。

次に,14歳から19歳の未成年の場合は,少年法の摘要を受けますので,上記処罰を受ける前にまずは家庭裁判所での処理がされます。

そして,14歳から19歳までの方の大部分は,上記のような刑事的な処罰を受けることはないのですが,実は例外があります。

つまり,18,19歳くらいで,すでに働いていたり,大学に通っていたりして,親から独立しているとみられる方等については,少年であっても,刑事責任を問われるケースがあり,成人と同様に,一番最初に説明した刑事処罰を受ける場合もあるのです。

そして,このような刑事処罰を受けた場合は,少年であっても,良い言葉ではありませんが,「前科」となってしまいます。

なお,ちなみに,少年法による処分(保護観察や少年院送致等含む)については,「前歴」という言葉を使用し,「前科」とは区別します。

刑事処罰を受ける場合以外の家庭裁判所での処理(少年法による処分)で済む場合ですが,自転車事故の場合は,ほかに非行行為等がなければ,「少年院送致」になるようなことはまずありません。
大部分は,「不処分」として「処分なし」で終わり,処分を受けるとしても,「保護観察」(保護司さんなどの監督を一定期間受けますが,事実上は,通常とおりの生活を送ることができます)までということになるかと思います。

このように,自転車事故については,少年であっても最悪「前科」となりうることがあることはご理解いただき,自転車の運転には気をつけてください。

もちろん,自転車側が被害者となるケースも多数ありますので,そういう意味では,「自転車の安全教育は親等の監督義務者の責任」と言えると思います。

しかし,親が刑事責任を負うことはないということはすでに(1)で述べたとおりです。

次の回(3)は,民事上の責任につき,説明します。

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