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コラム

動機づけ、勇気づけ

2023年3月25日

テーマ:組織改革

コラムカテゴリ:ビジネス

「成功したらご褒美」



「失敗したらお仕置き」

行動心理学的にどちらのほうが「動機付け」として効果があるでしょう?

いわゆる、プラスの感情に基づく動機と、マイナスの感情に基づく動機の違い。

実は、瞬間的なパワーで言うと、「失敗したらお仕置き」のほうが効果があります。

よく、火事場の馬鹿力とか言いますよね?

追い込まれるととんでもない力が発揮される、ということの例えですが、まさにその通りなんです。

「シぬ気で働け」とか上司が部下に平気で言う組織が昔から多かったですが、心理学的にはある意味マトを射てることだったりします。

ところが、この方法、マイナス動機付けによるパワーは「瞬間的」で、長続きしないという欠点があります。

何より、本人や周囲がそれで幸せになれるかどうか。

成果をあげることはできても、幸せとは言えない。

さらに、誰にでも効果があるわけではないので、負荷をかけられてストレスを抱えたうえに、失敗するという結果にもなり得ます。

では、プラスのほうはどうでしょう?

「成功したらご褒美」は、マイナス動機ほどの瞬間的なパワーは出ません。

そのかわり、比較的持続性があると言われます。


じゃあ、こっちのほうがいいの?

プラス動機にも欠点があります。

結果が出ても出なくても、
次に同じような動機付けをする際は、前回よりも大きなご褒美にしないと効果が出ない、ということ。

「成功したらボーナス1万円」という動機付けを一度経験すると、

次は、1万円では動機付けにならず、
少なくとも1万円以上じゃないとやる気にならない。

それを繰り返すと、どんどん大きなご褒美を与えないといけなくなります。

これは組織運営上、ほぼ不可能です。

プラスでもマイナスでも、他人から与えられる動機は、一長一短があります。

だからこそ、「勇気づけ」という動機付けがおススメ。

「勇気」そのものは、他人から与えられるものではなく、内から湧いてくるもの。

とはいえ、自分きっかけで勇気を奮い立たす、というのは簡単なことではなく、
自分でコントロールできる人は少ないので、周囲からの「勇気づけ」が大事。

上司からお仕置きやご褒美を与えられるより、
勇気づけの言葉があるほうが、本人も上司も組織も幸せになれます。

この記事を書いたプロ

太田英樹

介護業界をコーチングコミュニケーションで幸せにするプロ

太田英樹(株式会社インサイトハウス)

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