良い噂を流す

太田英樹

太田英樹

テーマ:組織改革

人間と、他の動物との違うところはたくさんありますが、その一つ

見た事実の伝聞

があります。

例えば、動物や昆虫のコミュニケーションにも、

「今ココに敵がいるよ!」

というものはありますが、

「さっき、ココに敵がいたよ!」

の伝達はありません。

自分は見ていないのに、他人の話を聞いて
それを事実だと思い込むのは、人間だけ。

良くも悪くも、人間は「思い込み」の生き物。

「あいつはいつも遅刻して来るんだよ」

って、上司が言うと、他の社員もそう認識する。

たとえ、たまたま上司が見た時に遅刻しただけでも、その伝聞情報が事実として認識されてしまう。

そして、それが本人の耳に入ると、

「そんなふうに思われてるんだ」

と、落ち込んだり、腹が立ったり、モチベーションが下がり、本当に遅刻ばかりするようになる。

これを、認知論といいます。

いわゆる「噂話」がモチベーションに影響を与えるなら、いい噂を流せばいい。

ちなみに、イイ噂話と言っても、嘘はだめ。

「彼が朝早く出社して掃除してくれていたよ。気持ちよく仕事できてありがたいね」

なんてことを、上司が他の社員に話す。それが本人の耳に入ったらどうでしょう?

うれしくなって、もっと頑張ろうと思います。

実は、昔これと同じことがありました。

介護の現場に出て間もないころ、無資格未経験の私には、自分のやっていることが何かの役に立っている実感がありませんでした。

ある日、私が風邪か何かで仕事を休んだ日の朝礼で、上司が

「太田は、利用者一人一人に、毎朝誰よりも大きな声で挨拶してる」

という話をしたらしく、次の日に同僚からその話を聞いたとき、感動したのを覚えています。

その出来事がなかったら、もしかしたら、やりがいを感じられず退職していたかもしれません。

どうせ流すなら、イイ噂話を流しましょう

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太田英樹
専門家

太田英樹(コーチングコミュニケーション講師)

株式会社インサイトハウス

介護・福祉業界を中心に人材育成と事業支援で多くの実績あり。アドラー心理学ベースのコーチング研修により、社内コミュニケーションを円滑化のみならず、人材定着率や利用者満足度を高め、事業の成長につなげます。

太田英樹プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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