ある社長さんとの会話

太田英樹

太田英樹

テーマ:組織改革

ある放課後等デイサービスの社長さんとお話ししました。

ここ最近、ほんとに放課後デイさんとご縁があるなぁ

社長
「うちの社員は、みんな挨拶をしないんですよ」


「というと?」

社長
「◯◯くんなんかは、朝出勤してきて、私が居てるのがわかっているくせに、目も合わさないんです」


「目も合わさないんですね。他にはどんなことが?」

社長
「え?まぁ、他のスタッフはちゃんとやってくれてるんですけどね」


「みんな挨拶しない、と思ってしまうくらい印象的だったんですね」

よくありますよね、「みんな」じゃないのに、「みんなそうなんだ」と思い込んでしまったり、
思い込んでるわけではないけど、言葉としてそんな表現をしてしまうこと。

冷静になってみると、実はそんなことないってこと。

このことを『ベイシック・ミステイク(誤った思い込み)』と言います。

気づけてよかった、と思ったんですが、続けて

社長
「◯◯くんは、とにかく挨拶しないんですよ」


「そうなんですね。その状態がどうなったらいいですか?」

社長
「挨拶してくれたらそれでいいんですよ」


「なるほど。じゃあ、社長から挨拶してみるというのはどうですか?」

社長
「なんで社長の私から挨拶するんですか?しかも、彼は後から出勤してるんですよ」


「というと?」

社長
「目上の人間への敬意、先に出社している人への敬意が大事ってことですよ」


「なるほど。目上の人への敬意と、先に出社している人への敬意が大事なんですね」


「敬意を示すことと、挨拶すること、どっちも大事だとは思うんですが、あえてどちらかをまず実現するとすれば、どっちですか?」

社長
「んー、とりあえず挨拶ですな」


「では、ちょっと想像してみてください。◯◯くんが出勤してきました。彼が通り過ぎる前に、社長から挨拶してみたら、彼はどうすると思います?」

社長
「まぁ、挨拶するでしょうね」


「なら、社長から挨拶してみませんか?」

社長
「いや、でも、なんで私からしないといけないんですか?逆でしょ?」


「そうですよね。目上の人へ敬意を示してほしいですよね。ちなみに、朝の挨拶以外に彼の言動で、これはイイねと思ったことは?」

社長
「子どもたちへの接し方とか、保護者のお母さん方への対応とか、しっかりしてるんですよ」


「え?具体的に教えてもらっていいですか?」

社長
「例えば、(具体的なエピソードを話してくれました)」


「◯◯くんには、そんなイイところがあるんですね。そんな彼に、社長から挨拶するのは抵抗ありますか?」

社長
「いや、まぁ、いいか。やってみますわ」


「イイですね!ちなみに、いつします?」

社長
「明日さっそくやってみます」


「イイですね!ぜひ結果を教えてください」

なんで自分がそんなことしなきゃいけないんだ、って思うことありますよね?

相手に求めて何も変わらないなら、自分がやってみてもいいんじゃない?

コーチングとは少し違うけど、なんとなく話の流れでこんなやりとりしました。

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太田英樹
専門家

太田英樹(コーチングコミュニケーション講師)

株式会社インサイトハウス

介護・福祉業界を中心に人材育成と事業支援で多くの実績あり。アドラー心理学ベースのコーチング研修により、社内コミュニケーションを円滑化のみならず、人材定着率や利用者満足度を高め、事業の成長につなげます。

太田英樹プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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