「企画書のたまご」をメモしておく【芸術家・パフォーマーの助成申請のヒント5】
フリーランスとして活動する芸術家・パフォーマーの中には、書類作成の経験が少なく、助成金などの申請に尻込みしてしまう人もいるのではないでしょうか。
マイベストプロ京都のコラムでは、フリーランスの大道芸人として15年活動してきた経験をもとに、各種申請の企画の立て方や、申請を通すための文章の書き方に関する内容を数回にわけて掲載します。
今回は、
・募集の趣旨を理解することの重要性
がテーマです。
募集の趣旨や意図をよく理解する
新型コロナウイルスは文化芸術活動に大きな影響を与えました。一方で、文化芸術活動を支援する動きも始まっています。
助成金などに応募する際には、企画を考える必要があります。企画を考える際には、
・(助成金などの)募集の趣旨や意図をよく理解する
ことが第一歩です。
・どのような活動を奨励するのか(文化の発信がメインなのか、継続に対する補助なのか)
・活動場所(市内なのか、県内なのか、オンラインでの活動なのか)
といったことを募集要項をよく読んでから、企画案の作成に取り掛かると、イメージがしやすくなります。
府と市の要綱の違いを例に考えてみる
京都府内の支援を例にあげると、
・京都府の「文化活動継続支援補助金」
・京都市の「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う京都市文化芸術活動緊急奨励金」(注 すでに募集は終了しています)
があります。
京都府の「文化活動継続支援補助金」の募集の趣旨は
「新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、文化活動を自粛・縮小せざるを得ない状況に置かれている方々に対し、活動継続に向けた取組に対し支援を行うものです」
とあります。
京都市の「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う京都市文化芸術活動緊急奨励金」の募集の趣旨は
「発表・制作等の機会を失っている文化芸術関係者の活動を支援するため,新型コロナウイルス感染症拡大防止など,現下の情勢において実施できる文化芸術活動(企画・制作・実施・リサーチ等)を募集し,審査のうえ奨励金を交付するものです」
(注 京都市の奨励金はすでに募集が終了しています)
とあります。少しニュアンスの違いがあります。
・京都「府」の活動は、将来にわたって活動を継続するために何らかの施策を行う人に補助をする
意図があるのに対して
・京都「市」の活動は、今できる範囲で文化芸術の発信をすることを奨励する
意図が見えてきます。
このような違いをよく考慮して企画を考える必要があります。
募集要項をよく読んで、審査する人がどのような活動を望んでいるか考えながら、自分たちの活動を魅力的なものだと理解してもらえるようにブラッシュアップを繰り返していけば、きっとよい内容になるに違いありません。
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