本と向き合える書斎のある家
内と外をつなげる工夫を
玄関は内と外の境界であり、家の顔でもあります。玄関を見ると、我が家に帰ってきたという安堵が湧いてくる方もおられるでしょう。また訪問者にとっては、家の第一印象を左右する空間。だからこそ、自分にとっても、お客さまにとっても、快適でセンスの良さを感じさせるしつらえを心がけたいものです。
気持ちの良い空間にするためには、 扉1枚で内と外をつなげるのでなく、外部→敷地内→玄関土間→室内と、ゆるやかにつなげるような演出を心がけると良いと思います。
玄関ポーチから土間部分までを同一意匠でコーディネートするのもひとつの方法です。狭い玄関を広く見せる視覚的効果も期待できます。またどんな床材を採用するかによって、玄関の雰囲気も大きく変わります。
種類豊富なタイル、高級感のある石材など
土間部分には、タイルや石を貼ったり、コンクリートで仕上げたりする方法が多くみられます。
もっとも普及しているタイルは、カラー、サイズ、デザイン、素材のバリエーションが豊富。石のような質感を持つもの、スレート調、素朴な風合いのあるテラコッタタイル、和風、洋風、いろいろあります。
外装材や内装材などに違和感なく融合するタイルを選びましょう。また広い玄関に大判のタイルを張ると、すっきりとした印象になり、タイルの持つイメージをそのまま空間に再現することができます。
狭い玄関の場合は大判のタイルを張ると、狭さが強調されますので、小さ目のサイズをおすすめします。
天然石は、自然素材特有の高級感があり、ワンランク上の空間演出に最適です。大理石はホテルのエントランスなどにも使用されるように、高級感のある雰囲気を醸し出します。
御影石は独特のツヤが美しく、上質でモダンな空間をつくります。
ライムストーン(石灰岩)はやわらかい質感とやさしい色合いが特徴です。
ほかに、コンクリートであればコンクリートの表面をなめらかに仕上げる「金ゴテ仕上げ」、細かい線を入れてザラザラとした質感に仕上げる「ハケ引き仕上げ」などがあります。また砂利を練り合わせた「玉砂利の洗い出し」もあり、和風の住まいなどにおすすめです。
メンテナンスや安全性も重要
デザインも価格も数えきれないほどの選択肢がある床材ですが、将来のことを視野に入れ、耐久性や安全性、維持管理なども考慮して選びたいものです。
雨の日に濡れた靴で入っても滑らない床材を選ぶことも、家族の安全を考えると重要な要素になってきます。
また玄関は外からのホコリや靴についた汚れが染み込みやすいので、素材に応じたお手入れ方法で掃除をする必要があります。機能性タイルや撥水加工などを取り入れると、メンテナンスが楽になります。