相続が発生したあと、期限のある手続きを整理する
借金の返済が苦しくなったとき、
「自己破産すべきか、それとも任意整理や個人再生の方がいいのか」
と悩まれる方は少なくありません。
借金問題の解決方法は個別事情によって異なります。
しかし、実務上はまず自己破産を基準に検討し、それでも返済を伴う手続を選ぶ理由があるかを考えることが重要です。
借金問題を考える際の基本的な考え方
債務整理には主に次の方法があります。
自己破産:原則として借金の支払義務が免除される
任意整理:利息等をカットし、分割返済を行う
個人再生:借金を減額したうえで返済を行う
一般には「どれを選ぶか」という問題として説明されることが多いですが、実務上は少し違います。
まずは、返済を免れることのできる自己破産を基準に検討し、それでも返済型の手続を選択すべき事情がある場合に、任意整理や個人再生を検討するのが基本的な考え方です。
例えば、
・自宅を維持したい
・職業上の制約を避けたい
・免責不許可事由が問題となる
といった場合です。
見落とされがちなリスク
任意整理や個人再生は、返済を継続することが前提の手続です。
しかし、
・収入の減少
・失職や転職
・病気や家庭事情の変化
などによって返済が続けられなくなることがあります。
その結果、最終的に自己破産を選択せざるを得なくなるケースも少なくありません。
その場合、それまでの返済が結果として無駄になる可能性もあるため、慎重な判断が必要です。
自己破産を検討すべき兆候
次のような状況であれば、まず自己破産を基準に検討する必要があります。
・返済額が収入に比べて過大である
・借入額が大きく元本がほとんど減らない
・返済のために新たな借入をしている
・督促や返済のストレスで生活に支障が出ている
特に重要なのは、
「今払えるか」ではなく、「今後数年間にわたり無理なく払い続けられるか」
という視点です。
よくある誤判断
実務上、次のような理由で返済型手続を選択するケースがあります。
・自己破産に抵抗がある
・昇給や転職で収入が増えると思っている
・今は何とか払えている
しかし、将来の収入増加は必ずしも実現するとは限りません。
また、預貯金の取り崩しやボーナス頼みで返済を続けている場合は、安定して返済できているとはいえません。
返済を前提とする手続を選択する場合は、将来にわたる継続可能性を慎重に見極める必要があります。
迷ったら早めに相談を
自己破産は「最後の手段」と考えられがちですが、生活を立て直すための法的な制度でもあります。
借金問題で重要なのは、
・まず自己破産を基準に考えること
・返済型手続を選ぶ理由が本当にあるか検討すること
・将来にわたって返済を続けられるか見極めること
です。
督促が始まっている、返済の見通しが立たない、家計が回らないといった状況であれば、早めに専門家へ相談することをおすすめします。


