第2回 ストレスチェックは何を見ているのか――負荷・反応・支え
従業員が正直に回答してくれない。たぶんこの悩みが一番多いんじゃないかと思います。検査ですので、正直に答えてくれないと、正確な結果が出ません。やっても意味がないと思っても仕方ありませんね。
従業員の思い
従業員は、なぜ正直に答えてくれないのでしょうか。ありがちな理由について考えていきます。
会社に見られるのがいや
たしかに、ストレスチェックは、高度な個人情報にかかわる検査です。会社や他人に見られたくないと思っても当然です。これは、ストレスチェックの、個人の結果は、法的にも仕組みとしても会社は知ることができないようになっていることを理解してもらうしかないでしょう。
ただ「建前はそうでも、本音は…」と思うかもしれません。日ごろから、建前と本音を使い分けている集団文化があったら、そう思いがちになります。もちろん建前と本音の使い分けはあることです。問題は、建前と本音が同じであっても、そう思ってもらえないことです。これは、従業員の、会社に対する基本的な信用がないことがベースにあろうかと思います。日ごろから、従業員と会社との間に信用関係を作っておくことが大事になります。
高ストレス者になると不利になると思う
これは「メンタル不調者は弱い人だ」という思い込みがあるように思えます。メンタル不調は、誰にでも起こります。みなさんも、気持ちが落ち込んだり不安を感じたりすることはあるでしょう(まったくないのなら、それはそれで心配です)。いつも元気に明るく生きるなんてできません。
大きなメンタルヘルス不調は、災害など大きな事件がない限り、小さなメンタル不調から始まります。小さなメンタル不調の段階で問題をクリアできたらいいのですが、クリアできなかったら、不調はどんどん大きくなります。問題をクリアするために必要なのは「強さ」よりも、状況を把握し戦略を練り実行するといった「問題解決スキル」です。メンタル不調者は、決して弱い人ではないんです。
メンタルヘルスに関する誤解を減らすには、日ごろからの研修や情報提供が有効です。
メンタルヘルス不調は、決して「弱い人」だけに起こるものではありません。大切なのは、早めに自分の状態に気づき、必要なときに相談し、問題に対処するための選択肢を持っておくことです。
また、高ストレス者になっても、賃金や昇進などに不利にならないような体制づくりをし、それを実現することは、言うまでもありません。
ストレスチェックを意義あるものにすると、正直に答えてくれる労働者も増え、回答率も上がるでしょう。それがまた、ストレスチェックの精度を上げ、より意義があるものになる。このいい循環を作りましょう。


