第1回 ストレスチェックは本当に意味があるのか
ストレスチェックの結果は、ハラスメントや長時間労働そのものを証明するものではありません。
しかし、負荷が高く、支えが弱く、反応が強く出ている職場では、背景にハラスメント、過重労働、業務分担の偏り、相談しにくい職場風土などがないかを考える手がかりになります。
ハラスメント
いやと言えない関係
ハラスメントがある職場では、負荷が強く支えが弱い傾向があることが知られています。ハラスメントは優越的な関係つまり「いやと言えない関係」がベースにあります。いやと言えない関係では、仕事を断りにくいため、仕事量が多くなり、不本意に仕事に追いまくられることになります。さらに職場がハラスメントの現場になりますので、当然職場の雰囲気も悪くなります。
支えが得られない
さらに、上司からの支えも受けにくくなります。上司からの叱責は支えではありません。具体的に仕事のためになる指導が支えです。そもそも、攻撃的に接してくる人から支えをもらおうとは思いませんよね。するほうからしたら支えのつもりでも、受けるほうとしては、支えではなく攻撃でしかありません。支えにならないんですね。
さらに同僚からの支えも受けづらくなります。ほかの労働者からすると、ハラスメントの標的になった人とは、とばっちりを受けるかもしれないと、距離を置きがちになります。支え体制が崩壊します。また、集団によるハラスメントの場合、標的にされた人を支えることは考えられませんよね。
あくまで推測
といった具合に、負荷と支えの項目でハラスメントを推測することができます。しかし、直接質問しているわけではない、あくまでも推測であることを忘れてはいけません。ハラスメント推測ができたとしても、きちんとハラスメント調査をすることが肝心です。
長時間労働
長時間労働については、もちろん法的に規制があります。その法的規制はなぜあるのか。長時間労働が労働者の健康を損なう
からですね。実際、長時間労働の職場では、特に負荷の項目がかなり高くなります。また、全員が疲弊すると、睡眠ができなかったり食欲が減ったり、反応の項目も高くなります。さらに、職場で余裕がなくなると、支えが弱く出ます。従業員が、仕事に大きな負荷がかかっていないと「自覚」していたとしても、ほかの項目を見ると、業務過多や過重労働が疑われます。長時間労働の反応は、人それぞれではありますが、よくない反応が出ているのであれば、改善する必要があるでしょう。
ほかにもいろいろな職場の問題が浮かび上がってくることがあります。ストレスチェックをきっかけに、ハラスメント調査などが行われることもあります。大事なのは、推測で行動しないこと、直接調べて、改善などを考えることです。


