第9回 50人未満義務化に向けて、中小企業は何を準備するか
ストレスチェックでは、どんなことがわかるのでしょうか。大きく分けて3つの視点があります。
負荷
その人にどんなストレスがあるか、仕事の質的・量的負担、体力を使う仕事であるか、仕事は時間内に終わるか、責任の重さはどうか、体力を使う仕事かを調べます。また、温度や湿度などはどうか、裁量があるか、適性があるか、働きがいがあるかを調べます。
ここで大事なことは、ストレスは必ずしも悪いものではないということです。仕事が与えられるから、責任がかかるからがんばれることもあります。問題は、そのストレスがかかることによって、仕事やその人の生活にどんな影響があるかです。いい影響があるなら問題ないですが、悪い影響があると改善を考える必要があります。
また、同じ仕事量でも、負荷の感じ方や影響の出方は人によって違います。責任が重いほどがんばれる人もいれば、あまり責任が重いとつぶされてしまう人もいます。体力がある人は、体力仕事はさほど負荷にはなりません。また、裁量が多いと、どうしていいかわからずに不安をためてしまいがちな人もいます。だからこそ、単に「このくらいなら大丈夫だろう」と決めつけず、負荷・反応・支えを合わせて見ることが大切です。
反応
ストレスがかかると起こりやすい反応である、活気、イライラ感、疲労感、不安感、集中、睡眠や食欲などを調べます。
ストレスに対する反応は人それぞれです。活気がなくなりがちになる人、食欲がなくなりがちな人、寝にくくなる人など、その人によって出やすい反応があります。たとえば、食欲があるから、寝られているから、過度なストレスがかかっていないと判断するのは危険です。
なお、反応は、ストレスチェックをしなくても自覚があることが多いです。自覚がある段階で、適切な手立てをすることが大事です。また、自覚がなくてもまわりが気づくこともあります。まわりが気づいたら、声をかけたり診察をすすめたりすることも、大事なことです。
支え
ストレスがかかっても、支えがあれば乗り越えやすいです。仕事でつまずいたときに上司や同僚に気軽に相談できる、相談して力になってくれる職場づくりが大切です。また、本人が体調や心の不調を感じて病院に行くことになっても、仕事に穴をあけることに不安を感じ、それでなかなか病院に行けないという人もいます。その人がいなくても仕事がまわり、安心して病院に行ける体制と作ることも、重要な支えになります。
さらに、家族や友人の支えも大事です。職場以外で話を聞いてくれる人の存在は、本当に大きいものです。
その人個人の状態だけを見るのなら、反応だけで十分だと思われがちです。しかし、負荷や支えを合わせて見ることで、その人の反応が起こる仕組みがより立体的にわかります。また、負荷や支えは、職場などが改善していけるものでもあります。
自分のことや職場のことは、当人が一番よく知っています。ストレスチェックは、自分たちがよく知っていることを、数字や言葉ではっきりさせるものです。数字や言葉ではっきりさせると、自分のことがよりはっきりとわかります。さらに、職場内で共有もしやすくなり、共通認識も持ちやすくなります。
その人にとっても職場にとっても、改善していくための強力なツールとしてのストレスチェック。うまく使っていきましょう。


