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ラグビーから学ぶ組織論③

森田祐司

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テーマ:組織開発


共通言語としてのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)

ラグビーにおけるルールやチーム戦術は選手間の共通言語となり、円滑なコミュニケーションを可能にします。企業におけMVVもまた、社員間の共通言語として機能すべきであり、MVVが浸透していれば、個々の社員が自律的な判断を下す際にも、組織全体としての方向性から逸脱することなく一貫した行動を取ることができます。

フィードバックと内省の文化

ラグビーの試合後には、必ず振り返りが行われ、成功したプレーも失敗したプレーもその要因を分析し、次の試合に活かすための議論が交わされます。これは企業における業務改善活動やナレッジマネジメントに相当し、社員一人ひとりが自らの業務を振り返り、チーム内でフィードバックを共有する文化を醸成することで、組織全体の学習速度は飛躍的に向上します。失敗から学び、成功体験を再現可能なものにするプロセスは、学習する組織に不可欠な要素です。

失敗を許容する文化

ラグビーでは果敢なチャレンジの末の失敗は、時には称賛され、萎縮せず思い切ったプレーに挑戦する姿勢が評価される文化があります。企業においても失敗を厳しく糾弾するのではなく、「チャレンジした結果の失敗」を許容する文化を醸成することが重要です。失敗から学ぶ機会を奪ってしまえば、社員はリスクを冒すことを恐れ、創造性や自律的な判断力は失われてしまいます。

習する組織の5要素とラグビーの融合

ピーター・センゲが提唱した「学習する組織」の五つの要素をラグビーに重ね合わせることで、その本質をより深く理解することができます。

自己マスタリー
選手一人ひとりが自身のスキル、体力、そして戦術理解度を継続的に高めていく姿勢をさします。これは企業における社員が自己の専門性を高め、生涯にわたって学び続けることと一致します。個人の強固な土台なくして組織全体の強靭な力は生まれません。

メンタルモデルの共有と探求
チーム全員が試合の状況や戦術に対する共通の理解を持つこと。ラグビーでは監督の指示がなくても、選手たちは次に取るべき行動を予期し、互いの動きを信頼してプレーできます。企業においては、組織のミッションやビジョンを共通のメンタルモデルとして共有することで、各々が自律的な意思決定を迅速に行うことが可能となります。部門間の壁を取り払い、共通の理解を深める探求が組織にイノベーションをもたらします。

チーム学習
単なる個人のスキルアップではなく、チーム全体として知識や経験を共有し、相乗効果を生み出すプロセスです。試合後の分析や日々の練習における対話は、チームの集合知を高めるための不可欠な活動であり、これは部門横断的な議論やナレッジマネジメントを通じて、組織の壁を越えた学習を促進することに他なりません。チームとして学習する習慣が組織の学習速度を飛躍的に向上させます。

システム思考
グラウンド全体を一つの複雑なシステムとして捉え、自らの行動がチーム全体にどのような影響を与えるかを理解する能力です。パスを出すタイミングやタックルに入る位置一つが、試合の流れ全体を左右します。企業においても、自分の業務がサプライチェーン全体に与える影響を理解することで、部分最適に陥ることなく、全体最適の視点で行動できるようになります。

変化への適応性
規律と自律が融合することで生まれる、予期せぬ状況への対応力です。相手の奇襲攻撃や味方選手の負傷など、計画外の事態が発生した際にもチームは崩壊することなく、新しい状況に適応した最適な戦術を瞬時に再構築する。これは変化の激しい現代市場において、企業が生き残るための最も重要な能力です。

まとめ

ラグビーは厳格な規律の下で選手一人ひとりの自律性を最大限に引き出し、刻々と変化する状況に対応する「学習する組織」の縮図であるといえます。企業経営においても就業規則や倫理規範といった「規律」を徹底し共通の土台を築き、その上でMVVを共通言語として浸透させ、社員一人ひとりの自律的な判断を促すこと。そして、フィードバックと内省の文化を根付かせ、失敗を恐れずに挑戦できる環境を整えることが重要です。

これらの取り組みを通じて企業は社員のエンゲージメントを高め、市場の変動にも柔軟に対応できる強靭な組織へと進化することができます。ラグビーチームが強固な規律と高い自律性を両立させ、勝利に向かって一丸となるように、企業もまた規律と自律の好循環を生み出すことで、持続的な成長を実現できると言えます。

「ラグビーから学ぶ組織論①」はコチラから
「ラグビーから学ぶ組織論②」はコチラから

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森田祐司
専門家

森田祐司(人材開発・組織活性化専門コンサルタント)

株式会社キャリアリーダーシップラボ

経営課題の解決と人材育成の知見を有し、人と企業の成長を促す多彩なプログラムで実践的な研修を実施。ビジネスススキルの習得やチーム力強化のほか、企業ごとの人材開発戦略を構築するコンサルティングも

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