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GROWモデルとは?
GROWモデルは、コーチングの基本的なフレームワークで、Goal(目標)、Reality(現状)、Options(選択肢)、Will(意思・計画)の4つのステップで構成されます。
GROWモデルを用いた対話シチュエーション
1. Goal:目標の明確化
まずは「何を目指しているのか」を具体的に描き、部下のやる気を引き出します。
対話例:
上司: 「このプロジェクト、最終的にどんな状態で終えられたら理想的かな?」
部下: 「納期通りに、クライアントから『次もお願いしたい』と言われる品質で納品することです。」
ポイント:「どうしたい?」と聞き、部下自身の言葉で目標を語ってもらう。
期限や数値など、可能な限り具体化(数値化)を促す。
2. Reality:現状の把握
目標と現在のギャップを、客観的な事実として整理します。
対話例:
上司: 「なるほど。今の進捗を10点満点で言うと何点くらい? その理由は?」
部下: 「今は4点です。資料作成は進んでいますが、関係部署との調整が難航してストップしています。」
ポイント:詰問(「なぜできていないの?」)ではなく、客観的な事実を確認する。
「何が起きているか」を部下自身に客観視させる。
3. Options:選択肢の検討
目標達成のために何ができるか、アイデアを広げさせます。
対話例:
上司: 「その停滞を解消するために、どんな方法が考えられるかな? 制限がないとしたら何をする?」
部下: 「担当者に直接会いに行くか、上長から一筆書いてもらうか……。あとは、一度会議を設定して認識を合わせるのも手かもしれません。」
ポイント:上司がすぐに答えを出さず、「他に案はある?」と粘り強く聞く。
突飛なアイデアも否定せず、まずは出し切らせる。
4. Will:意思決定・行動計画
最後は「いつ、何をやるか」を本人が決断し、コミットメントを引き出します。
対話例:
上司: 「いい案が出たね。じゃあ、まずは何から手をつける? 最初のステップはいつやる?」
部下: 「まずは明日中に、関係部署のリーダーに会議の打診メールを送ります。」
ポイント:「いつやるか」を明確にする。
「私(上司)に手伝えることはある?」と添えることで、心理的な安全性を高める。
GROWを活用することで上司が答えを与えるのではなく、質問によって部下自身に考えさせるため、「自分で決めたこと」という責任感が生まれます。その結果、指示待ちではなく自ら動く姿勢が身につきます。また、「目標→現状→選択肢→意思」という決まった枠組みに沿って対話を進めることで、論点がズレにくくなります。部下も頭の中が整理され、漠然とした不安を具体的なアクションに変換できます。




