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令和 vs 昭和・平成 マネジメント比較
令和の時代、ビジネス環境は「正解のない時代(VUCA)」へと突入し、働く人々の価値観も多様化しました。昭和・平成の「管理と統制」から、令和は「個の尊重と共創」へとマネジメントのOSを書き換える必要があります。
| 項目 | 昭和・平成(これまで) | 令和(これから) |
|---|---|---|
| 役割の中心 | 管理・統制 | 支援・ファシリテート |
| 時間の使い方 | 社内調整・会議・進捗確認 | 対話・未来への投資 |
| 部下育成 | ティーチング | コーチング・フィードバック |
| スキル | 専門知識・経験・政治力 | EQ・傾聴力・言語化能力 |
| マネジメントの前提 | 同質性・長時間労働 | 多様性・心理的安全性 |
| キャリア支援 | 組織主導・囲い込み | 個人主導・エンプロイアビリティ |
1. 役割の中心:サーバーントリーダーシップへの転換
かつてはプレイングマネージャーとして「自分が一番仕事ができる」ことが権威の源泉でした。令和では、部下がパフォーマンスを発揮しやすい環境を整える「奉仕型(サーバーント)リーダーシップ」が求められます。「指示する」のではなく「障害を取り除く」こと。部下が自律的に動けるよう権限委譲を進める。
2. 時間の使い方:管理コストを下げ、対話コストを上げる
ICTツールの進化により、単なる進捗確認や情報共有のための会議は減らし、その浮いた時間で「人」と向き合う時間を増やします。「1on1ミーティング」を定着させ、業務報告ではなく、部下の状態や悩みに耳を傾ける時間を確保する。
3. 部下育成スタイル:正解を教えることから、一緒に考えることへ
変化の激しい現代では、上司の過去の成功体験が通用しないことが多々あります。一方的に教えるのではなく、「どう思う?」「どうしたい?」と問いかけることで、部下の思考力を鍛えます。また失敗を許容すること。心理的安全性を担保し、「挑戦した結果の失敗」は評価することで、イノベーションの芽を育てます。
4. キャリア支援:市場価値を高めるパートナーになる
「一生この会社にいる」という前提は崩れています。部下がその会社を離れても通用するスキル(エンプロイアビリティ)を身につけさせることこそが、結果として「この上司の下で働きたい」というエンゲージメント(帰属意識)を高めます。会社の目標(Must)と、個人のやりたいこと(Will)、できること(Can)の重なりを見つけ出し、意味づけを行うことが重要。
5. マネジメントスキル:EQ(心の知能指数)の重要性
論理的な正しさだけでは人は動きません。特にリモートワーク等の普及で非言語情報が減った今、「感情を理解し、言語化して伝える力」が不可欠です。 自身のアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)を自覚し、多様なバックグラウンドを持つ部下それぞれに合わせたコミュニケーションをとる柔軟性が求められます。
6. マネジメントの前提:多様性と心理的安全性
「言わなくてもわかる」は通用しません。育児中、介護中、外国人、副業人材など、条件の違うメンバーが一つのチームにいます。そんな中、「何を言っても否定されない」という心理的安全性を土台に、違いを強みとして活かす(ダイバーシティ&インクルージョン)視点が大前提となります。
令和のマネジメントは、「管理職」から「支援職」への変化
部下を自分の手足として動かすのではなく、一人のプロフェッショナルとして尊重し、その可能性を最大化させること。それが、結果としてチームの成果を最大化する最短ルートと言えます。




