中小企業にとって変わるリーダーシップスタイル!
リーダーとリーダーシップの違い
| 項目 | 定義 | 性質 |
|---|---|---|
| リーダー | 組織図上の役割・地位 | 固定的なもの、権限を持つ特定の人 |
| リーダシップ | 影響を与える機能・行動 | 流動的なもの、誰でも発揮できる影響力 |
リーダーシップとは、「役職」ではなく「目標達成に向けて周囲にポジティブな影響を与える行動」そのものを指します。したがって、新入社員であっても、チームのために声を上げたり改善を提案したりすることは、立派なリーダーシップの発揮と言えます。
シェアド・リーダーシップ(共有型リーダーシップ)とは
従来の「一人のカリスマリーダーが全員を牽引する」スタイルに対し、「状況や得意分野に応じて、メンバー全員がリーダーシップを交代で発揮し合う状態」を指します。例えるとオーケストラ(指揮者のみ)ではなく、ジャズセッション(誰かがソロを執り、他が支える流動的な関係)のようなイメージです。
全員がリーダーシップを発揮するための3つのポイント
リーダーとリーダーシップの違いを明確にした上で、全員がリーダーシップを発揮する「シェアド・リーダーシップ」を実現するためのポイントを解説します。
① 「目的(Why)」の徹底的な共有
メンバーが自律的に動くためには、判断基準となる「共通の目的(ビジョン)」が必要です。「何をやるか(タスク)」だけでなく、「なぜやるか(意義)」を全員が腹落ちしている状態を作ります。目的が明確であれば、指示を待たずに各自が正解を導き出せます。
②心理的的安全性と「フォロワーシップ」
誰かがリーダーシップを発揮(提案や率先行動)した際、それが批判されたり無視されたりすると、次の行動は生まれません。「誰がリードしても受け入れられる」という心理的安全性を担保すること。また、現在リードしている人を支える「フォロワーシップ」もまた、リーダーシップの一形態であると認識することが重要です。
※詳しいフォロワーシップの解説はコチラから
③ 「強みの相互理解」と権限委譲
全員が同じ場面でリードする必要はありません。ポイント: 「分析はAさん」「アイデア出しはBさん」「スケジュール管理はCさん」というように、各自の強みを可視化し、その領域においてはその人に決定権(リーダーシップ)を渡す合意形成を行います。
シェアド・リーダーシップとは、全員が「船長」になることではありません。全員が「当事者意識(オーナーシップ)」を持ち、「今は自分が前に出るべき時だ」と状況判断して動けるチームを作ることです。これにより、変化の激しい時代においても、一人の限界を超えた強靭なチームパフォーマンスを発揮することが可能になります。




