人はどうやって成長するのか?
組織を強くしていくには人材育成が欠かせない
時代や分野は異なっても、「組織の力は人そのものである(信玄)」、「人は適切な育成と承認によって最大限の力を発揮する(山本)」、そして「人は現代組織の唯一にして最大の資産である(ドラッカー)」等、人材の獲得、育成、活用こそが組織経営の根幹であるという点で共通しています。
「人は城、人は石垣、人は堀。情けは味方、仇は敵なり。」
信玄の時代、強固な城郭を持つことが組織の防御力と考えられていましたが、信玄は人そのものこそが、動かしがたい城や石垣に匹敵する最高の防御であり、最強の財産であると定義しました。強固な組織は、地理的な要塞ではなく、人の能力と結束によって成り立つと言っています。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ。」
リーダーが部下を育成する際の具体的な行動指針です。人は単なる命令だけでは動かず、リーダーが自ら手本を示し、段階的に指導し、承認(褒めること)を通じて初めて、主体的に行動し、組織に貢献するようになります。これは、人の育成(タレントマネジメント)が組織の命運を握るという考えを示しています。
「企業の目的はただ一つ、顧客の創造である。そして、その目的を達成するための資源は、人である。」
現代の組織において、知識や技能を持つ「人」こそが、組織が競争優位を築き、価値を生み出すための最も重要な、あるいは唯一の資産であると論じました。他の資源(資本、設備、情報など)は模倣できても、人の創造性やスキルは代替不可能であり、組織の永続的な成長は、この人的資産をいかに活かすかにかかっているとしています。
人的資本経営
現代はますます人材への戦略的な「投資」を通じて、従業員の価値を向上させ、それが企業価値全体のリターンとなって返ってくることを図る必要があり、経営戦略と連動した人材戦略の策定、育成プログラムへの積極投資、従業員エンゲージメント(貢献意欲)の向上、リスキリングの支援などが重要です。そのことにより従業員一人ひとりの潜在能力を引き出すことが中長期的な企業競争力と収益性向上のキーポイントと言えます。




