プレゼンテーションスキルの高め方
3対1の法則とは?
「3対1の法則」は、心理学者のマーシャル・ロサダとバーバラ・フレドリクソンによって提唱された概念で、ポジティブな感情や発言の数が、ネガティブな感情や発言の数の3倍以上であるとき、システム(この文脈ではチーム)は繁栄し、高いパフォーマンスを発揮するというものです。具体的には、この比率が約2.9013対1を超えると、個人やチームは「フロー状態」に入り、創造性、レジリエンス(回復力)、モチベーションが高まるとされています。
フロー状態とは?
フロー状態とは、ある活動に完全に没頭し、時間や自己を忘れるほど集中している心理的な状態のことです。心理学者のミハイ・チクセントミハイ氏が提唱したこの状態では、活動そのものが目的となり、高い幸福感や充実感を得られます。
ハイパフォーマンスチームの特徴
・メンバーは頻繁にお互いを認め合い、賞賛し、感謝の意を表明します。
・失敗や問題が発生した際も、非難ではなく、学習や改善のための建設的な対話が行われます。
・心理的安全性が高いため、メンバーはリスクを恐れずに意見や新しいアイデアを表明でき、結果として創造性が高まります。
・協力的な雰囲気があり、エンゲージメント(仕事への意欲)が高い状態を維持します。
ローパフォーマンスチームの特徴
・批判や非難、ネガティブな発言がポジティブなフィードバックを上回り、チーム内に緊張や不信感が漂います。
・ネガティブな発言が多い環境では、メンバーは自己防衛的になり、リスクを避けるようになります。
・心理的安全性が低く、新しいアイデアや率直な意見の表明が抑制され、創造性や革新性が失われます。
・モチベーションやエンゲージメントが低下し、問題解決能力が低く、結果としてパフォーマンスが停滞します。
ポジティブな相互作用は、単なる「仲良し」の印ではなく、チームの学習能力、適応能力、そして持続的なパフォーマンスを支える心理的・社会的な基盤となり、3対1の法則は、チームのパフォーマンスを測る一つの指標として、チーム内のコミュニケーションバランスの重要性を示唆していると言えます。




