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主体性を発揮させる3つの重要なポイント

森田祐司

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テーマ:主体性


主体性とは、自らの意思や判断に基づき責任を持って行動する姿勢

主体性とは「自分の意志や判断で、責任をもって行動する姿勢」であり、具体的には、指示を待つのではなく、自ら考え、何をすべきかを判断し、行動に移す力や能力を指します。経済産業省の「社会人基礎力」では「前に踏み出す力(アクション)」の一つとされ「物事に進んで取り組む力」と定義されています。

主体性は企業において最も重要視される能力の一つ

日本経済団体連合会(経団連)が定期的に実施している「新卒採用に関するアンケート調査」では、企業が選考にあたって特に重視した点として、「主体性」が一貫して高い割合で挙げられています。

順位重視された項目      
1位コミュニケーション能力
2位主体性
3位協調性
4位課題解決能力
5位倫理観

主体性が重要視される背景

近年、主体性が重要視されるのはVUCA時代(不確実で変化の激しい時代)において、企業が以下の課題に直面しているためと言えます。

指示待ち人材では対応できない:
変化が激しく前例のない課題が増える中で、上司の指示を待つのではなく、自ら考え、判断し、行動できる人材が不可欠。

イノベーションの創出:
決められたルールや業務をこなすだけでなく、現状を改善し、新しいアイデアを生み出す能動的な姿勢が求められている。

主体性を発揮させる3つの重要なポイント

1. 適切な「権限委譲」と「裁量」の付与
社員が「自分で決める」経験を積むことが、主体性の基盤となります。
業務の目的を共有: 業務の目的や達成したい成果を明確に伝えた上で、進め方や手段については社員に任せる裁量を付与します。
責任感の醸成: 任せる業務や裁量は、本人のスキルや経験に見合ったものとし、「この仕事の責任は自分にある」という当事者意識を持たせます。

2. 「心理的安全性」の確保と「対話」の促進
失敗を恐れて行動が止まることを防ぐため、「挑戦しても大丈夫」と思える環境を作ります。
失敗を許容する文化: 失敗を責めるのではなく、「成功のための学び」として捉え、そこから得られた知見を組織全体で共有する文化を築きます。
建設的な対話: 上司や同僚が社員の意見やアイデアを否定せず、傾聴し、建設的なフィードバックを行うことで、自ら発信・提案する意欲を高めます。

3. 「目標」の明確化と「成功体験」の積み重ね
主体的な行動は、目標達成への貢献を通じて「やりがい」と「自信」を生みます。
目標の共有と納得: 会社や部門の目標を一方的に押し付けるのではなく、社員自身が目標設定に関わり、その目標が持つ意味を深く納得できるようにします。
スモールゴールの設定: 最初は達成しやすい小さな目標を設定し、達成する機会を増やすことで、「できた」という成功体験を積み重ね、次の主体的な行動への自信を育みます。

社員一人ひとりが主体性を発揮することは、目の前の課題解決だけでなく、組織全体の生産性向上、イノベーションの創出、そして優秀な人材の定着にも直結します。主体性を尊重し、育む環境づくりこそが、これからの企業経営における最重要課題と言えます。

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森田祐司
専門家

森田祐司(人材開発・組織活性化専門コンサルタント)

株式会社キャリアリーダーシップラボ

経営課題の解決と人材育成の知見を有し、人と企業の成長を促す多彩なプログラムで実践的な研修を実施。ビジネスススキルの習得やチーム力強化のほか、企業ごとの人材開発戦略を構築するコンサルティングも

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