令和 vs 昭和・平成 マネジメント比較
両者の最も大きな違いは、「何に焦点を当てているか」
タスクマネジメントは、業務の進捗や成果を中心に管理・監督する従来のマネジメント手法です。
ピープルマネジメントは、メンバー一人ひとりの個性や意識、関係性に向き合い、主体性や潜在能力を引き出すことで組織全体の向上を目指します。マネージャーはコーチのような役割を果たします。
| マネジメントの種類 | 焦点 | 目的 |
|---|---|---|
| タスクマネジメント | 仕事・タスク | タスクの効率的な完了・目標の達成 |
| ピープルマネジメント | 人・従業員 | 従業員の能力、モチベーション、キャリア、幸福の最大化 |
ピープルマネジメントがより重要になる背景
現代のビジネス環境の変化に伴い、従来の成果重視のマネジメントだけでは対応が難しくなっているため、ピープルマネジメントの重要性が増しています。
人材不足・雇用の流動化
・労働人口の減少や転職の増加により、優秀な人材の確保と定着が最重要課題です。
・従業員の働きがいやエンゲージメント(組織への貢献意欲)を高めることが不可欠であり、これには個々人に寄り添うピープルマネジメントが効果的です。
ビジネス環境の変化(VUCA時代)
・社会や顧客のニーズが流動的に変化する「VUCA」時代において、組織が変化に対応し続けるためには、メンバー個々人の自律性(自ら考え行動する力)や創造性を引き出す必要があります。
価値観・働き方の多様化
・リモートワークの普及や世代交代により、従業員の価値観やキャリア観が多様化しています。
・成果だけでなく、個人の成長、自己実現、ウェルビーイングなどにコミットするマネジメントが求められています。
ピープルマネジメントのポイント
ピープルマネジメントを効果的に実践するための主要なポイントは以下の通りです。
対話の機会を増やし、傾聴する
・メンバーの価値観、モチベーション、キャリアについて深く理解するため、1on1ミーティングなどの対話の機会を高頻度(隔週や月1回など)で設け、傾聴力を持って本音を引き出します。
心理的安全性を確保する
・マネージャーとメンバーが信頼関係を築き、メンバーが恐れずに意見や質問を発言できる雰囲気(心理的安全性)を醸成することが基盤となります。
定性的な要素も評価対象とする
・仕事の成果(定量)だけでなく、意欲、成長の度合い、チームへの貢献、主体性(定性)といった数字に表れにくい要素も適切に評価に組み込みます。
短期的な成果を求めない
ピープルマネジメントは、メンバーの自律性の向上やエンゲージメントの醸成を通じて長期的に組織のパフォーマンスを高める手法です。すぐに効果を求めず、時間をかけて組織に浸透させる視点が重要です。
タスクマネジメントとピープルマネジメントは、組織のパフォーマンスを最大化するための両輪です。タスク管理に加えて、今後は人に焦点を当てたピープルマネジメントの重要性がさらに高まっていきます。




