チーミングとチームビルディングの違いとは?
チームビルディングとチーミングの違い
チームビルディングは、固定されたメンバーで強固なチームを作り上げる一過性の活動で、一方チーミングは、状況や目的に応じてメンバーが入れ替わる流動的なチームで、常に最適なチームワークを模索・実践し続ける継続的なプロセスです。
| 項目 | チームビルディング | チーミング |
|---|---|---|
| 目的 | チームを構築し、基盤を固める | 変化に対応し、常に最高のチームワークを発揮する |
| 活動 | 固定化されたチームの初期段階 | 流動的でメンバーが変わる毎に行われる継続的なプロセス |
| 対象 | 固定されたメンバー | プロジェクトごとに流動的に変わるメンバー |
| 重視点 | メンバー間の信頼関係や役割の明確化 | 心理的安全性、双方向のコミュニケーション、学習する文化 |
VUCA時代にはチーミングが求められる
VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代は、予測不能な変化が常態化しています。このような環境下では、メンバーが固定されたチームビルディングだけでは対応しきれません。
チーミングが求められる理由
迅速な適応:
変化の激しい状況において、その都度最適な専門家が集まり、チームを形成・解散できるチーミングは、迅速な問題解決や価値創造に不可欠です。
イノベーションの促進:
多様なスキルやバックグラウンドを持つメンバーが流動的に協働することで、新しいアイデアが生まれやすくなり、イノベーションが促進されます。
自律性の向上:
メンバーは与えられた役割をこなすだけでなく、自ら考え、行動することが求められます。チーミングは、この自律的な働き方を支える概念です。
チーミングにおけるリーダーの役割
心理的安全性の確保:
メンバーが失敗を恐れずに意見を述べ、行動できる環境を築くことが最も重要です。リーダーは積極的にメンバーの話に耳を傾け、オープンな対話を促します。
ビジョンと目的の共有:
メンバーが流動的な環境でも共通の方向性を見失わないよう、明確なビジョンと目的を常に共有し続けます。
学習する文化の醸成:
チーム全体で常に学び、失敗から教訓を得て、その知識を共有する文化を育みます。リーダー自身も学び続ける姿勢を示すことが大切です。
権限委譲と支援:
メンバー一人ひとりの専門性を尊重し、適切な権限を委譲します。リーダーは、指示するのではなく、メンバーが自律的に行動できるようサポートします。
VUCAの時代、リーダーにとってのチームは変化の波に乗りこなす船のようなものです。航海のたびに乗組員が変わり、時には嵐に遭遇することもあります。重要なのは、メンバーを固定する「チームビルディング」だけでなく、状況に応じて柔軟に最適なメンバーが協力し合う「チーミング」という航海術を身につけることだと言えます。




