消費税の税抜経理・税込経理
更正の請求とは、申告書の提出期限後や還付金を受け取った後に、記載内容に誤りがあることに気がついたときで、税額が実際より多すぎた場合や還付金が少なすぎた場合には、税務署に訂正を求めることができる制度で、更正の請求ができる期間は、法定の申告期限から1年以内とされている。2011年度税制改正において、更正の請求の期間を現行の1年から5年に延長し、更正の請求を認める範囲も拡大する。
1年を過ぎてしまっても、職権での減額更正(税額を減らす訂正)を税務署長にお願いするという「嘆願」という方法があるが、これは法的に確定した制度ではないので必ず減額更正されるとはかぎらない。一方で、税務署が増額更正(税額を増やす訂正)ができる期間は3年とされており、嘆願という不透明な実務を解消し、納税者の救済と課税のバランスを図る観点から、更正の請求期間を5年に延長するとともに、税務署が増額更正できる期間も3年から5年に延長する。
この改正により、納税者による修正申告・更正の請求、税務署による増額更正・減額更正の期間制限がすべて一致する。
他方、更正の請求によっては事後的に当初申告にさかのぼってその措置を適用することが認められていない「当初申告要件が設けられている措置」を見直し、更正の請求範囲を拡大する。当初申告による控除額の制限がある措置については、更正の請求により、適正に計算された正当額まで当初申告時の控除額を増額させることを可能にする。見直しの対象となるのは法人税の所得税額控除など。
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