高齢者を支える法律専門職として、『在宅ケアフェスタ IN ひらつか』に出展いたしました
私は、相続相談も立派な業務だという信念をもっています。
他の事務所や他の専門家がどのようにとらえているかは分かりませんが、業務として行っているからこそ有料対応が原則であると考えており、無料相談は毎月一回の定例日のみに事前予約制で4組限定で対応しているのが現状です。
なぜそのような対応をしているかというと、相続相談は人間関係の調整と適切な遺産の分配というとてもデリケートで難しい問題を包含しているケースが大半だからです。決して立ち話や何かのついで話のような感覚で対応するわけにはいかないのです。
この点、役所などの公的機関でも無料相談を行っていますが、たいていは時間も一人につき15~20分程度で、しかも法律論の説明ばかりで具体的な解決方法を示してくれないというケースが多いと聞いています。また、予約制にしていないので相談者同士が重なってしまって気まずい雰囲気になったりするものや、駅のコンコースなどの人通りの多いところでテーブルを並べて行ったりするなど相談者のプライバシーへの配慮に欠けるものも見受けられます。このような相談会を行ったところで、本当に解決したいと考える相談者の役には立たないばかりか、むしろ相談会を開催している側の自己満足に過ぎないものではないかと捉えており、私はそのような『無料相談会』とは一線を画した、相談者にとって本当に役に立つ『有益かつ具体的な選択肢を示す無料相談会』を毎月一回定期開催してきたと自信をもって言えます。
そんな理由から、私の相続相談は有料・無料を問わず、完全予約制を原則として2時間程度の時間をお取りして(無料相談会では会場の都合上90分とさせていただくことがあります)、これまでの経緯や事情を詳しくうかがうのは当然のことですが、具体的な解決方法をいくつかご提案しながら、さらに解決までに要する時間の見通しや必要となる費用を必ず提示しています。私の経験や知識に基づいて判断させていただいた内容を包み隠さずすべてをお話しし、それからどうするかは相談者の判断にお任せするべきであり、決して強制をしたりお引止めしたりすることはしないというのが私の姿勢です。たとえどなたがご相談にお見えになっても私は例外なくこの姿勢を堅持しています。
とはいえ相談業務を続けていると、ご相談者の中にはこちらがご提示する報酬を支払うだけの持ち合わせがないという方が時々いらっしゃいます。とてもお困りのご様子の方を目の当たりにするとどうにかして差し上げたいと、何とももどかしい気持ちになるのも事実です。
しかし、専門家として業務でやっている以上報酬をいただかないわけにはいきません。私どもはボランティアやNPOではないのです。また、依頼人によって報酬基準を変えるというのも非常に不誠実です。同一業務を受任する以上、たとえ依頼人が誰であっても同一報酬基準で受任することこそが信頼関係を築くための前提条件であると考えています。
また、私どもはすでにお預かりしている遺言書を保管し、現在受任中の業務を完成させるためにも事務所を維持し守っていかなければなりません。5年あるいは10年先においても何としてでもこの事務所を存続させていかなければならないのです。そのためには、いつまでも無料でご相談に対応し続けるわけにはいきません。受任業務に応じた適正な報酬をいただくことが必要不可欠だと思っています。
だからこそ、私は相続相談も業務として真剣に取り組んでいるつもりです。十分な時間をかけて事情や経緯を聞き取って、具体的な解決策をいくつか提案し、解決までに要する時間や費用の見通しをお伝えする、そして最後は相談者の判断に委ねています。
たとえどなたであっても、私の方針と報酬に同意していただければ喜んで業務をお引き受けいたします。もし、どちらか一方でも同意していただけない場合は、非常に残念ですがご縁がなかったと思うしかない、私はそう理解してします。
これからも私は、ひとりでも多くの方が素晴らしい人生の締めくくりを考えるための的確な選択肢として、『元気なうちに争わないための遺言書を書くこと』のご提案をし続けていきます。