説明的文章の要約とは?――国語力を伸ばし、学力全体を高める重要な力
「国語の要約問題が苦手」「文章を短くまとめられない」と悩んでいる小学生・中学生は少なくありません。
実は、長い文章を要約できない原因の多くは、一文を正しく理解できていないことにあります。
本記事では、一文要約の基本から、主語・述語の見つけ方、二文を一文にまとめる方法まで、具体例を使ってわかりやすく解説します。
一文要約を身につければ、説明文や論説文の要約問題だけでなく、読解力全体の向上にもつながります。
がんばっていきましょう!
1. なぜ「一文要約」の練習が必要なのか?
どれほど長い説明文や論文であっても、すべては「一文(ひとつの文章)」の積み重ねでできています。
文章全体の意味を理解することはもちろん重要ですが、一文一文を正確に読み取れなければ、全体を正しく理解することは絶対にできません。
「文章全体の要約ができない」と悩む人の多くは、一文のレベルで内容を落とし込んでしまっています。
まずは、目の前の一文をしっかりと理解し、短く要約できるようになることから始めましょう!
2. 一文要約の2つのアプローチ:「主語・述語」と「主部・述部」
一文を要約する方法には、大きく分けて次の2通りがあります。
「主語と述語のみ」の要約文
「主部と述部」の要約文
それぞれの特徴を、例文を使って見ていきましょう。
【例文】
「雨が降る中、ずぶ濡れになった小さな野良猫が、こちらにやって来た。」
①「主語と述語のみ」の要約(骨組みだけ)
この文の述語は「来た」、主語は「野良猫が」です。
これらをつなげると、次のようになります。
【要約】
野良猫が来た。
これが「主語と述語のみの要約文」です。
文字通り文章の「骨組み」だけを取り出したものですが、これだけだと少し状況やニュアンスが伝わりにくい(意味がとりづらい)ことがあります。
②「主部と述部」の要約(意味が伝わりやすい)
主語・述語のそれぞれに、その直前にある「一文節(修飾語など)」を加えたものを「主部」「述部」と呼びます。
例文にあてはめると、主部は「小さい野良猫が」、述部は「やって来た」となります。
これらをつなげると、次のようになります。
【要約】
小さい野良猫がやって来た。
これが「主部と述部の要約文」です。
骨組みだけの文章に比べて、ぐっと意味がわかりやすくなったのが伝わるかと思います。
3. 【実践】一文をシンプルに短くする手順
ここからは、実際に一文を短く要約する手順を解説します。
「主語と述語のみの要約文」の作り方
1. 一文を「文節」に細かく分解する
2. 最初に「述語」を見つけ、その後に「主語」を見つける
3. 主語と述語をつなげる
※ 主語を見つけるときの注意点
・述語が「人間の感情や行動」の場合 →「誰が」を探す
・述語が「それ以外」の場合 →「何が」を探す
「主部と述部の要約文」の作り方
1. 上記のステップで主語と述語を見つける
2. 主語と述語の前に、それぞれ直前の一文節を加える
3. 主部と述部をつなげる
4. 一文要約の練習問題(文字数制限あり)
実際に手を動かして、一文をシンプルにする練習をしてみましょう。
【問題1】:10字以内で要約しなさい。
「母は、大切なシャーペンをなくしたと言って泣いている僕をなぐさめた。」
【解説1】
○述語:「なぐさめた」
○主語:「母は」
※「大切なシャーペンを〜泣いている」の部分は、すべて「僕」を詳しく説明している修飾語(具体的な内容)なので、省略が可能です。
※10字以内という制限があるため、「母は」「僕を」「なぐさめた」の重要パーツを残します。
【解答1】
「母は僕をなぐさめた。」(10文字)
【問題2】15字以内で要約しなさい。
「ビルの展望台から両親といっしょにながめた街の夜景は、きっと一生の思い出になるだろう。」
【解説2】
○述語:「なるだろう」
○主語:「夜景は」
※「ビルの展望台から〜ながめた」は「街の夜景」を修飾し、「きっと一生の」は「思い出」を修飾しているため、省略可能です。
※ただし、主語の「夜景は」と述語の「なるだろう」だけでは意味が通じません。そこで、言葉を補うために「街の」と「思い出に」を追加します。
【解答2】
「街の夜景は思い出になるだろう。」(15文字)
まとめ
一文を簡単にする基本は、まず「主語」と「述語」を見つけること。
その上で、指定された文字数に合わせて言葉を補い、意味が通じる文章を作っていくことです。
5. 指示語(これ・それ・あれ)の内容をまとめるコツ
説明文を要約する際、「それ」「これ」といった指示語をそのまま使うのはNGです。
要約文では、必ず指示語が指している具体的な内容に言い換える必要があります。
そのために必要なのが、文章を名詞の形に変える「名詞化(めいしか)」のテクニックです。
【問題1】文末が指定の名詞になるように書き換えなさい。
元の文:「電車が駅に到着した。」
⑴ 末尾を「電車」にする場合 → (駅に到着した)電車。
元の文の主語(電車)が最後に来る場合は、言葉を前後に入れ替えるだけでOKです。
⑵ 末尾を「駅」にする場合 → (電車が到着した)駅。
「駅に」は「到着した」を詳しく説明する言葉なので、「駅」の前に「到着した」を配置します。
指示語を具体化して一文に書き換える実例
指示語を正確に言い換えるアプローチを、実際の入試やテスト形式の問題で確認しましょう。
【問題2】次の文の下線部(2文目)を一文に書き換えなさい。
ただし、指示語「それ」が意味する内容をできる限り詳しく書くこと。
「携帯電話が故障してしまった。それを修理してもらうため、携帯ショップへ行った。」
【解説2】
・指示語「それ」が一言で指しているのは「携帯電話」です。
・前の文を見ると、この携帯電話は「故障してしまった」という状態であることが分かります。
・つまり「それ」の内容を詳しくすると、「故障してしまった携帯電話」になります。
【解答2】
「故障してしまった携帯電話を修理してもらうため、携帯ショップへ行った。」
6. 二文を一文にまとめる応用練習
一文の要約ができるようになったら、次は「二つの文を、内容を薄めずにひとつにまとめる」練習に進みます。
どちらの文をベース(主軸)にするかによって、2通りのまとめ方ができます。
例文①:「横浜の両親から宅配便が届いた。」
例文②:「それには、レトルトカレーとカップラーメンが入っていた。」
パターンA:例文①(届いた)を中心にまとめる
例文①の主語は「宅配便が」、述語は「届いた」です。
例文②の指示語「それ」は「宅配便」のことで、中身は「レトルトカレーとカップラーメン」です。
これらを合体させて「〜が入った宅配便」という形を作ります。
【一文にまとめた文】
「横浜の両親からレトルトカレーとカップラーメンが入った宅配便が届いた。」
パターンB:例文②(入っていた)を中心にまとめる
文の最後(述語)を「入っていた」にします。
「それ(宅配便)」を詳しく説明するために、例文①の「横浜の両親から届いた」をくっつけて「横浜の両親から届いた宅配便」という形を作ります。
【一文にまとめた文】
「横浜の両親から届いた宅配便にはレトルトカレーとカップラーメンが入っていた。」
まとめ:一文要約をマスターして次のステップへ!
一文要約を身につけるためには、
○主語と述語を見つける
○必要な修飾語だけ残す
○指示語を具体的な内容に置き換える
○二文を一文にまとめる
という4つの力が必要です。
これらができるようになると、説明文全体の要約もスムーズにできるようになります。
まずは一文要約を繰り返し練習し、読解力の土台を固めていきましょう。


