キーワード/キーセンテンスを見つける ~要約文作成前の前準備~
みなさん、こんにちは。
オンライン学習塾 啓理学舎の代表の篠田です。
今回は「説明的文章の要約文作成方法」について、お話しさせていただきます。
このコラムは、中学生(特に受験生)を対象にしております。
下記のコラムを読んでいない方は、こちらを先に読んでください。
『説明的文章の要約とは?』
『一文要約 〜要約文作成前の基礎練習〜』
『キーワード/キーセンテンスを見つける 〜要約文作成前の基礎
『「意味段落」と「段落キーセンテンス」を見つける 〜要約文作成前の基礎練習〜』
⑴要約文作成前に気をつけること。
◉原稿用紙を使用
字数をカウントしなければいけないため、原稿用紙を使用してください。
↓原稿用紙をプリントアウトすることもできます。
https://happylilac.net/yousi-genko.html
また、修正することもあるため、1行あけて書いてください。
◉説明的文書を300字で要約
要約する文章は、公立高校の国語入試問題の説明的文書を300字程度で書いてください。
公立高校の国語入試問題の説明的文章は、文章が標準的で、要約をするのに適した教材だからです。
また、300字にする理由は、意味が通じなかったり、表現がおかしいなど、アラが出やすいからです。
◉一文は40〜60字
一文の文字数は、40〜60字程度で書いてください。
40〜60字程度は、絶対守らないといけないものではありませんが、あまり長くなりすぎると、意味が分かりにくくなります。
ですから、それ以上になるならば、注意が必要です。
◉常体で書く
要約文は、「です・ます調」の敬体ではなく、「だ・である調」の常体で書いてください。
300字という文字数制限もあるため、なるべく文末は文字数を減らすためです。
⑵「段落キーセンテンス」をもとに各意味段落の要点のまとめる。
◉段落キーセンテンスが2文ある場合は、1文にまとめる。
一文へまとめ方がわからない方は、こちら↓
『一文要約 〜要約文作成前の基礎練習〜』
◉要約文をわかりやすくするために
要約文をわかりやすくするため、以下の3項目に注意してください。
◯指示語がある場合は戻す。
要約文を読んだだけで、意味が通るようにしなければいけません。
よって、指示語は必ず元の語句に直しましょう。
◯二重否定は肯定形に直す。
一文の中で、否定する言葉が2回重ねて使用する表現を二重否定と言います。
この表現は、否定+否定で肯定を表します。
要約する場合は、肯定形で表現します。
なぜなら、わかりやすい文章に要約することができるからです。
例)私は、泣かずにはいられなかった。→ 私は泣いた。
否定 否定
この説明は、正しくなくもない。→ この説明は正しい(だろう)。
否定 否定
◯疑問文は肯定の文に直す。
疑問文が出てきたら答えを探し、肯定の文にしてください。
例)「Aとは何か? Bである。」→「AとはBである。」
⑶各意味段落の要点をつないでまとめる。
各意味段落の要点をつなげる場合、以下の3点に注意してください。
◉結論の意味段落が最初か最後の場合
各段落の順序でまとめてください。
◉結論の段落が途中に出てくる場合
結論を最初か最後にくるようにまとめてください。
◉キーワードの統一
同じようなキーワードが何種類もある場合は、統一しましょう。
例)「相違」「違い」「相異」→「相違」
⑷最終チェック
主語・述語あるいは修飾語・被修飾語の対応関係がくずれているものを「文のねじれ」と言います。
この「文のねじれ」を直すことが、要約文を書くときにとても重要です。
「文のねじれ」が直せないと偏差値50を超えることは厳しいでしょう。
逆に直せるようになると、偏差値60に届くことができるようになります。
しっかり頑張っていきましょう!
◉文にねじれがないか確認
◯主語、述語
では、主語と述語のねじれを直す問題をやってみましょう。
【問】次の「文のねじれ」を、「①主語に合わせる」「②述語に合わせる」ことで直しなさい。
「私の趣味は、読書をしています。」
【答】
①「私の趣味は、読書をすることです。」
②「私は、読書をしています。」
どうでしたか?
次は、修飾語と被修飾語のねじれです。
◯修飾語と被修飾語
①修飾語と被修飾語はなるべく近づける。
例)「この本は、悲しい東京の物語です。」
↓
「この本は、東京の悲しい物語です。」
②長い修飾語→短い修飾語
長い修飾語は前、短い修飾語は後ろにして書いてください。
例)「この本は、美しいみんなに愛される小説です。」
↓
「この本は、みんなに愛される美しい小説です。」
「美しい」と「みんなに愛される」が「小説」を修飾しています。
ですから、「みんなに愛される」を前にし、「美しい」を後にします。