「病院の不妊治療は一旦お休みして、伺ったほうがよいのでしょうか?」というご質問
昨年9月から不妊治療で病院に通っており、夫婦とも検査で問題はない40代の女性の方から、
以下のようなご質問いただきました。
「基礎体温が低温期で35.8度、高温期で36.5度と低いです。
高温期も1週間ぐらいで短いですのですが、漢方で大丈夫でしょうか。」
現在女性は、低体温の方が増えていると言われており、基礎体温で35度台の日が続く方は少なくありません。
同じような悩みを持つ方の参考にしていただきたいと思います。
体温は高すぎてもよくありませんが、体の機能を効率的に働かせるには36度台に保つ必要があります。
理由は、呼吸する、動く、消化するなどの働きをするための酵素というたんぱく質が、効率よく働ける温度が36度台だからです。
それよりも低くなると酵素の働きが鈍くなると言われています。
そのため、西洋医学的には何の異常がなくても、妊娠しにくい方は、平熱を36度台となるようにした方が良いです。
西洋医学では体温を上げるという概念がありませんが、漢方では得意分野です。
漢方で体を温め体温を上げる働きは、陽気が行っていると考えます。
陽気の働きを支える一番重要な臓器が「腎」です。
腎陽(腎の陽気)を高める漢方薬を服用すれば、低体温が改善され高温期も持続するようになります。
健康保険で使用できる漢方薬で、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」というものがありますが、これは配合されている生薬が植物だけなので穏やかな効果です。
もし効果がでないようなら、効果が高い動物性の生薬の鹿茸、鹿角、紫河車などが配合された漢方薬が有効です。
漢方薬の効果をだす秘訣は、処方力(生薬の組み合わせや配合の仕方)です。
ご自分に合った漢方薬を希望される場合は、漢方の専門家にご相談ください。