頭痛の漢方薬 清上蠲痛湯 (せいじょうけんつうとう)
中医学では咳に対しては考え方が様々で、使用する漢方薬もたくさんあります。
今回は代表的な咳止めの漢方薬を医療用で使用されているものを中心に紹介しようかと思います。
写真は麦門冬の写真がなかったので天門冬という似た生薬の写真を使いました。
麦門冬湯
麦門冬湯は医療用ではツムラ29番で、基本的には肺胃陰虚に使われる処方です。
簡単に言うと肺と胃が干からびて起きる空咳です。
ケンケンというような痰の絡まない咳が特徴的です。
麦門冬湯はこの肺と胃に潤いを与え咳を止める漢方薬ですが、実は含まれる生薬の大半はお腹に対するものです。
中医学ではお腹に元気がないと肺も元気がなくり咳が出ると考えるます。
その考えを基に構成されているので、即効性があまり期待できない処方でもあります。
小児喘息などに功を奏するのですが、慢性的で病歴の長い喘息は腎の弱りについても考える必要があります。
麻杏甘石湯
麻杏甘石湯は医療用ではツムラ55番で、基本的には肺熱咳喘に使われる処方です。
菌やウイルスの感染により肺に熱が溜まり起こる咳などに使用されます。
痰が黄色く粘り気を帯びて、痰が切れにくい咳で出るのが特徴的です。
肺に熱があるので体が温まると咳が悪化するのも特徴的です。
加減法として桑白皮などを加えて効力を上げた五虎湯(ツムラ95番)があります。
どちらも麻黄を配合しているので長期の服用にはあまり適していません。
小青竜湯
小青竜湯は漢方薬で葛根湯の次に有名な処方かと思いますが、外寒内飲に使われる処方です。
先ほどの麻杏甘石湯とは反対に冷えて水の流れが悪くなって出る咳に使用します。
特徴的なのは冷えてサラサラっとした鼻水や痰がたくさん出て出る咳です。
体が冷えに負けているので、冷えると悪化するのも特徴的です。
花粉症で服用する方も多いようですが、こちらも麻黄を含むので長期の服用はあまり適していません。
体力のない子供やお年寄りは苓甘姜味辛夏仁湯(ツムラ119番)の方が良いです。
また、長期服用や慢性的で咳が酷い場合は蘇子降気湯の方が良い場合もあります。
余談ではありますが小青竜湯でなく大青竜湯という処方もあります。
他にも色々ある咳に効く漢方薬
今回はツムラの医療用漢方薬を中心にご紹介しました。
他にもストレスによる咳や肺の弱り、腎の弱りなど様々な咳があります。
特に秋から冬にかけては空気が乾燥して肺が弱り咳に悩まされる季節でもあります。
咳でお悩みの方はお気軽にご相談ください。