引き始めの風邪には麻黄湯?葛根湯?十神湯? その違いと使い分け方
逍遙散と加味逍遙散とは
更年期障害や自律神経失調症、月経前症候群(PMS)によく使用される「加味逍遙散(かみしょうようさん)」。逍遙散と同じ成分を含み、さらに2種類の生薬を配合してできた漢方薬です。
逍遙散に含まれる生薬は、当帰(とうき)・茯苓(ぶくりょう)・芍薬(しゃくやく)・白朮(びゃくじゅつ)・柴胡(さいこ)・甘草(かんぞう)・生姜(しょうが)・薄荷(はっか)があります。
この8種類の生薬に山梔子(さんしし)と牡丹皮(ぼたんぴ)を合わせたのが、加味逍遙散です。
山梔子と牡丹皮には、熱の症状をおさえる働きがあり、熱、汗、のぼせ、ほてり、頭痛、イライラ感や怒りっぽい、出血などが伴う場合に使用される生薬です。また、2つの漢方薬に合う体質と症状として、虚弱体質で胃腸が弱く寒がりの人が不安やのぼせ、肩こりを伴う精神症状がある場合に用いることが多い漢方薬とされています。
女性に多い神経症状とはどのようなものがあるのか?
女性の体は、男性と異なりホルモンバランスが乱れやすい環境にあります。思春期に始まる月経をはじめ、妊娠や出産、または婦人科に関わる病気などを経験することで、体のバランスを崩してしまう人も多いようです。主に女性がかかりやすい症状には、どのようなものがあるのでしょうか。
「月経前症候群(PMS)」は、月経が始まる1~2週間前から起こる、イライラや腹痛・頭痛などの症状で、月経が始まると症状は治まるのが特徴です。
「自律神経失調症」は、不規則な生活習慣などにより、体を働かせる役割である自律神経のバランスが乱れるために生じる体の不調のことです。
「更年期障害」は、一般的には閉経を挟む45歳~55歳の10年間を「更年期」といい、閉経により卵巣の働きが衰え、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が急激に減少することで起きる症状です。また、その症状が日常生活にまで影響を及ぼす場合を更年期障害といいます。
日頃の健康管理と漢方薬でバランスの良い生活を
本来、ホルモンは体内で生成され、体の機能やそれらの関係を上手くコントロールする役割をもっています。
一生で分泌されるホルモンの量はたったのスプーン一杯程度と言われています。この少量のホルモンが、体には大きな影響を与えているのです。
月経前症候群、自律神経失調症、更年期障害に共通するのは、このホルモンバランスの乱れによるもので、体にさまざまな不快症状を与えていることも事実です。
不規則な生活やちょっとしたストレスなどから、ホルモンバランスは乱れやすくなってしまいます。
やはり、日頃から体調管理を心掛け、生活習慣を見直し、上手くストレスと付き合うと共に、疲れを感じたら休むという習慣を身につけることが大切です。
また、このような生活や体調の見直しの手助けとなる漢方薬を取り入れて、体本来のバランスを整えてみるのもいいでしょう。ご自分に合う漢方薬と出会うことで、心身ともに健康を目指しましょう。