気分の落ち込みを解消し精神を安定させる漢方薬は加味帰脾湯。
目は内臓から!
東洋医学では古代より、「肝は目に竅(あな)を開く」といわれ、肝臓の具合は目に表れるとされます。また「肝は腎に養われる」とも言われていることから、漢方の目の治療では、「肝臓」と「腎臓」両方の強化(肝腎要)が大切であると考えられています。
肝臓は体の血液をためる臓器であり、その肝臓に栄養を送る役目が腎臓だとされています。漢方医療で、眼精疲労やかすみ目などの目の治療に用いられる漢方薬の中で「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」が注目されています。
古代より目に良いとされている「枸杞子(くこし)」と「菊花(きくか)」を含む8種類の生薬を合わせた漢方薬です。
この漢方薬に合う症状として「舌が赤い」「目のかすみや充血ある」「目が痛い」「足や腰がだるい」「顔や手足のほてり」「喉の渇き」などがあります。
目の症状に効果が期待できる「杞菊地黄丸」の効能
肝臓の調子と腎臓の調子を健康に保つことで、目の健康を保つことができると考える漢方医療。
目の治療に効果を発揮する、さまざまな成分を含む「杞菊地黄丸」の主な効能や成分を紹介します。
「杞菊地黄丸」は、「滋腎養肝(じじんようかん)」の考えをもとに、体の衰えを回復し、体にたまった余分な水分や熱を排出し、腎臓と肝臓の機能を活性化させるために必要な生薬を配合した漢方薬です。
「地黄(じおう)」は滋養強壮と血糖降下を促し、「山茱萸(さんしゅゆ)」は止汗効果、「山薬(さんやく)」は消化吸収を助ける働き、「茯苓(ぶくりょう)」は胃腸の改善に効果を発揮します。「沢瀉(たくしゃ)」には利尿作用を促す成分が含まれています。
最後に「牡丹皮(ぼたんび)」は、血行改善と炎症抑制に効果が期待されています。
これら、6種類の生薬に枸杞子と菊花を合わせることによって眼精疲労全般に効果を発揮すると考えられています。
当薬局では杞菊地黄丸と併用すべき健康食品を推奨しています。それは「鯉の胆」・「八目鰻」などの動物エキス配合の薬剤師が推奨しています健康食品です。詳しくは当薬局にお訊き下さい。
眼精疲労、初期症状を放置しない事が大切
普段から、パソコン作業や目を使う仕事をしている方は眼精疲労の症状があらわれていても、治療する機会を設けるのが困難な方も多いのではないでしょうか?
しかし眼精疲労を放っておくと、重篤な目の病気を誘発する場合があります。初期症状の段階で防ぐことがとても大切です。
まず、眼精疲労の初期症状として「目の痛み」があらわれます。目薬を使用して疲労を緩和したりするほか、なるべく時間を決めてパソコンなどの作業を行うようにする、空いた時間を利用してタオルなどで目を温めたり冷やしたりを交互に繰り返すことで、目の疲労の緩和に効果を発揮します。
また「眼精疲労かも?」という症状があらわれたら、まずは自分の生活環境を見直し、改善する努力をすることで症状緩和につながりますので、試してみるのもいいでしょう。
それでも痛みが治まらないのであれば、症状を放っておかず専門医を受診して、一日でも早く治療することが大切です。