「胃が悪いと口角炎になる」は本当だった?口の端からわかる健康状態
ニキビが治らない人へ
「最近、顔が赤いままで戻らない」
「お酒を飲んでいないのに顔がいつも赤い」
「ニキビの薬を塗っても全然よくならない」
このような症状で悩んでいる方は、「酒さ(しゅさ)」という病気かもしれません。
酒さは命に関わる病気ではありませんが、顔に症状が現れるため、精神的な負担が大きく、外出や人と会うことが苦痛になる方も少なくありません。
今回は酒さとはどのような病気なのか、酒さ様顔貌との違い、飲酒との関係、病気との関連、そして酒さのタイプについて分かりやすく解説します。
酒さとは?
酒さとは、主に鼻や頬、額、あごなど顔の中心部に赤みが続く慢性的な炎症性皮膚疾患です。
以前は「赤ら顔」と呼ばれることもありましたが、単なる体質ではなく、現在では皮膚の慢性炎症と考えられています。
30~60歳頃に発症することが多く、女性に多い病気ですが、男性では重症化しやすい傾向があります。
日本ではまだ認知度が高くありませんが、欧米では人口の約5%前後にみられる比較的よくある病気です。
酒さという名前の意味
「酒さ」という名前を聞くと、「お酒の飲み過ぎで起こる病気」と思われがちですが、実際はそうではありません。
昔から酒を飲んだ時のように顔が赤くなることから「酒さ」という名前が付けられました。
つまり、「酒を飲む病気ではなく、酒を飲んだような顔になる病気」という意味なのです。
酒さと酒さ様顔貌の違い
名前が似ているため混同されやすいのが「酒さ様顔貌(しゅさようがんぼう)」です。
両者は見た目が似ていますが原因が異なります。
酒さ
- 慢性的な皮膚疾患
- 原因は複数の要因が関係
- 皮膚科での治療が必要
- 長期間かけて改善を目指す
酒さ様顔貌
こちらはステロイド外用薬の長期使用によって起こる副作用です。
湿疹などに使われるステロイド軟膏を顔へ長期間塗り続けると、
- 赤み
- 毛細血管の拡張
- ニキビのような発疹
が現れ、酒さに非常によく似た顔になります。
この場合はステロイドの使用方法を見直すことが重要で、自己判断で急に中止すると一時的に悪化することもあるため、皮膚科での管理が必要になります。
お酒を飲むと悪化するの?
「酒さ」という名前ですが、お酒が直接原因ではありません。
しかし飲酒によって症状が悪化する方は少なくありません。
アルコールには血管を拡張させる作用があります。
そのため、
- 赤みが強くなる
- 火照る
- ヒリヒリする
などの症状が出やすくなります。
特に
- 赤ワイン
- 日本酒
- 熱燗
などで悪化する方が多いといわれています。
もちろん全員ではありませんが、自分の症状との関係を知るために食事や飲酒の記録をつけることも役立ちます。
酒さはどんなことで悪化する?
酒さは非常に刺激に敏感です。
悪化要因として知られているものには
- 紫外線
- 暑い場所
- 寒暖差
- 熱いお風呂
- 辛い食べ物
- 飲酒
- ストレス
- 睡眠不足
- 激しい運動
- 刺激の強い化粧品
などがあります。
人によって悪化するきっかけは異なるため、自分の「誘因(悪化する原因)」を知ることが大切です。
酒さと病気の関係
酒さそのものは皮膚の病気ですが、近年では全身との関連も研究されています。
消化器疾患
胃炎や胃酸分泌異常、ピロリ菌感染との関連を示す研究があります。
また腸内環境との関係も注目されています。
自己免疫疾患
酒さの患者さんでは
- 関節リウマチ
- 自己免疫性甲状腺疾患
などがやや多いという報告があります。
神経・自律神経
暑さや緊張で急に赤くなることから、自律神経の調節異常も関与すると考えられています。
眼の病気
酒さでは皮膚だけではなく眼にも炎症が起こることがあります。
- 目が乾く
- 異物感
- 充血
- まぶしい
などが続く場合は「眼型酒さ」の可能性があり、眼科受診も必要です。
酒さには4つのタイプがある
酒さは大きく4つに分類されます。
①紅斑毛細血管拡張型
最も多いタイプです。
- 顔が赤い
- 毛細血管が浮き出る
- ほてりやすい
②丘疹膿疱型
ニキビのような赤い発疹や膿を伴います。
大人ニキビと間違われることが非常に多いタイプです。
しかし黒ニキビ(毛穴の詰まり)は少なく、原因も異なります。
③鼻瘤型
男性に多くみられます。
鼻の皮膚が厚くなり、
- ゴツゴツする
- 鼻が大きくなる
④眼型酒さ
皮膚症状より先に目の症状が出る方もいます。
ドライアイとして治療されているケースも少なくありません。
酒さは早めの受診が大切
酒さは放置すると少しずつ進行することがあります。
最近では
- 炎症を抑える塗り薬
- 内服薬
- レーザー治療
など治療法も進歩しています。
「赤ら顔だから仕方ない」と我慢せず、皮膚科を受診することが改善への第一歩です。
最後に
酒さは単なる「赤ら顔」ではなく、慢性的な皮膚の炎症です。
お酒が原因ではありませんが、飲酒や紫外線、ストレスなどで悪化しやすく、生活習慣も大きく関係します。
また、ステロイドの副作用による酒さ様顔貌とは原因も対応も異なります。
「ニキビが治らない」「顔の赤みが何か月も続いている」「目の違和感もある」
そんな症状が続く場合は、一度皮膚科で相談してみてください。
早めに正しい診断を受けることで、症状の進行を防ぎ、生活の質(QOL)の改善につながります。
40年前は③鼻瘤型の男性がたまに来院されていました。今は①紅斑毛細血管拡張型が疑われる女性がたまにいらっしゃいます。
気になるようなら皮膚科をお勧めしています。
※画像は生成AIで作成しました。個人を特定するものではありません。





