コロナ後遺症による熟眠障害と多夢が徐々に改善した一例

中田和宏

中田和宏

テーマ:施術例

【主訴】

熟眠障害(ぐっすり眠れない)、多夢(夢を多く見る)、中途覚醒、ブレインフォグ

【お悩みの内容】

1年半前に新型コロナウイルス感染後から、頭がもやもやする感じ(ブレインフォグ)と熟眠感の不足が続いている。
夢を多く見て覚えており、起床時にすっきりしない。仕事(客室乗務員)での興奮やストレスがあると睡眠が浅くなる。

【年齢】

20代女性

【性別】

女性

【病院での診断】

明確な器質的疾患の診断はなし。
心療内科にて処方あり(覚醒系の薬で改善感はあるが根本的改善はなし)。

【これまでの経過】

2024年10月初診。
コロナ感染後遺症様の症状として、熟眠障害・多夢・倦怠感・ブレインフォグを認めた。

当初10回の施術では、易疲労感や頭のもやもやは軽減したが、睡眠の質は大きな改善なし。

2025年1月以降、施術内容を調整しながら経過観察。
春頃より昼間の眠気が減少し、起床時のすっきり感が出始める。

6月頃には「よく眠れている」との自覚が出てくるが、朝方の多夢は継続。

8月に治療方針を再構築。貧血既往を踏まえ「肝血虚(かんけっきょ)」と判断。
※肝血虚とは、東洋医学で血の不足により自律神経が不安定になる状態。

秋以降、夢の頻度が徐々に減少し、睡眠は安定。
ただしストレスが強い時期(接客業・試験前)には再燃しやすい。

2026年1月、試験ストレスにより睡眠浅くなり下痢が1週間続く。

【鍼灸院としての見立て】

東洋医学的に以下の病態と判断:

心腎不交(しんじんふこう)
→ 心(精神活動)と腎(生命エネルギー)の連携が弱くなり不眠を起こす状態

心肝血虚(しんかんけっきょ)
→ 脳と自律神経を養う血が不足し、夢が多くなる

副交感神経機能低下
→ リラックス神経が弱く、眠りが浅い

ベースは腎虚(生命エネルギーの不足)に、コロナ後の上咽頭炎の影響が重なっていると考察。

【施術方針】

自律神経の安定(副交感神経を高める)

心・肝・腎の血を補う(養血安神)

上咽頭炎へのアプローチ

ストレス時の再燃予防

段階に応じて治療方針を調整。

【施術内容】
初期(2024年10月~2025年1月)

自律神経調整目的の置鍼

頭部低周波鍼通電療法

失眠穴への直接灸

理気(気の巡りを整える)治療

※この時期はブレインフォグと倦怠感は改善するも、睡眠は停滞。

中期(2025年2月~6月)

三陰交・失眠への自宅灸指導

頸部・腰部の置鍼へ変更(副交感神経を高める目的)

低周波鍼を一時中止

→ 徐々に昼間の眠気減少
→ 起床時のすっきり感が出現

再構築期(2025年8月以降)

肝血虚として施術図を全面変更

復溜・太衝・太淵・百会・安眠などで養血安神

心兪・肝兪・腎兪への置鍼

湧泉への灸

神門・内関へパイオネックス(円皮鍼)貼付

→ 明らかに夢の頻度減少
→ 熟眠感向上

安定期(2025年10月~12月)

神門・内関への円皮鍼継続

箱灸による補腎・補心

肩こりなど随伴症状へ局所置鍼

→ 睡眠安定
→ 夢の減少

再燃期(2026年1月)

試験ストレスで睡眠浅化・下痢出現

ストレス性自律神経失調として再調整

長期症例として、
「改善 → ストレスで揺らぐ → 体質が安定していく」
という経過をたどっている。

【施術回数・頻度・期間】

初診:2024年10月
施術期間:約1年3か月

初期:週1回
中期以降:2週に1回
現在:体調に応じて調整

総施術回数:約30回以上

【施術後のケア】

三陰交・失眠への自宅灸

睡眠時間の確保

夢日記の記録(精神的整理)

ストレス時の早期来院



「ストレスで揺らぐ不眠に対する段階的鍼灸治療」

「1年以上続いた熟眠障害が体質改善により安定した症例」

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

中田和宏
専門家

中田和宏(鍼灸師)

トキの森鍼灸院

初診時のカウンセリングでどんな状態か明確にし、できることを説明します。施術計画を立てて最適な施術を提供します鍼灸治療にたずさわって約40年のベテラン鍼灸師が優しく対応しますお困りならまずご相談を!

中田和宏プロは北陸放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

つらい痛みを軽減し、心身の健康を導く鍼灸のプロ

中田和宏プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼