散歩をあきらめかけた左ひざ痛が改善した73歳男性の症例

中田和宏

中田和宏

テーマ:施術例

30分しか歩けなかった膝の痛みが40分・5,000歩まで改善した症例

主訴:左ひざ痛

お悩みの内容
歩くと左ひざが痛くなり、散歩を続けられないことがお悩みでした。
以前から左ひざのだるさは感じていましたが、約2か月前から歩行時の痛みが出現しました。サポーターを装着すると歩きやすくなるものの、痛みがあるため散歩は30分ほどで中断していました。
痛みが出る前は90分程度の散歩ができていましたが、現在は活動量が大きく減っていました。安静時や夜間の痛みはありませんでした。

年齢:73歳
性別:男性

病院での診断:特定の診断名はありませんでした。

これまでの経過:以前からひざのだるさはありましたが、2か月前から歩行時の痛みが強くなりました。
サポーターを使用すると歩行は楽になるものの、30分程度歩くと痛みが出る状態でした。活動量の低下により筋力も落ち始めていることが心配されました。
既往歴として肺がんの手術歴がありました。

鍼灸院としての見立て
ひざの関節自体の動き(可動域)は正常でしたが、太ももの前にある大腿四頭筋(膝を伸ばしたり歩行時に体を支える重要な筋肉)に筋力低下と筋萎縮(筋肉が細くなること)がみられ、圧痛も認めました。
歩行時のみ痛みが出現し、安静時痛や夜間痛がないことから、大腿四頭筋の筋力低下によって膝への負担が増えていることが主な原因と考えました。
東洋医学では「気滞(気の巡りが滞った状態)」による肩こりを伴い、「肝実脾虚(身体に余分な緊張があり、消化吸収や筋肉を養う働きが弱くなっている状態)」と判断しました。

施術方針:膝への負担を軽減するため、筋肉の緊張を和らげながら大腿四頭筋の働きを改善し、歩行機能の回復を目標としました。
鍼灸施術だけでなく、自宅での筋力トレーニングも並行して行い、再発しにくい身体づくりを目指しました。

施術内容:
初回から、大腿四頭筋へ浅い鍼を一定時間留置する置鍼を行い、膝周囲の内膝眼穴にも置鍼を実施しました。
さらに、足三里・三陰交へ長生灸を行い、膝周囲の血流改善と筋肉の働きを高めることを目的としました。
ご自宅では大腿四頭筋を鍛える筋力トレーニングを毎日継続していただき、鍼灸施術との相乗効果を図りました。
施術を重ねるごとに歩行距離が徐々に延び、痛みも軽減していきました。

施術回数・頻度・期間
約1か月で5回施術しました。
5回目には40分・約5,000歩の散歩が可能となり、日常生活に大きな支障がない状態まで改善しました。
筋力はさらに向上する余地があったため、自宅での筋力トレーニングを継続し、痛みが再燃した場合は早めに来院していただくようお伝えしました。

施術後のケア
・大腿四頭筋の筋力トレーニングを継続すること
・無理のない範囲で散歩を継続すること
・急激に歩行量を増やさないこと
・痛みが再び出始めた際は早めに施術を受けること

症例のまとめ
歩行時だけに現れる膝の痛みは、関節だけでなく筋力低下が大きく関係していることがあります。
本症例では、大腿四頭筋への鍼灸施術と自宅での筋力トレーニングを組み合わせることで、約1か月・5回の施術で歩行能力が改善し、散歩時間も30分から40分・約5,000歩まで延長することができました。
膝の痛みでは関節そのものだけに注目するのではなく、筋力や歩行機能を総合的に評価し、鍼灸施術と運動療法を組み合わせることが改善への近道になるケースがあります。

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中田和宏
専門家

中田和宏(鍼灸師)

トキの森鍼灸院

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